こんにちは、コロスケです。
今日は半導体商社の数が多すぎる件について解説していきます。
先日、コメントで以下ご質問を頂きました。
ルネサスの代理店集約化、今後その他のメーカーについても代理店集約化があるのかなどについてコロスケさんのご意見いただけたらなと思います。
ご質問ありがとうございます。
半導体メーカーのルネサスは、販売商社の集約を計画しております。
半導体大手のルネサスエレクトロニクスが国内販売網を再編することが15日、明らかになった。販売代理店契約を結ぶ専門商社の数を、現在の16社から6社に絞り込む方向で検討を始めた。国内の半導体市場が縮小傾向にあるなか、販売経費の削減を進めて業績の回復につなげる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43725940V10C19A4I00000/
今回は、ルネサスの代理店集約問題について詳しく解説していきます。
ルネサス製品を購入している方に有益な情報を提供致します。
半導体商社多すぎ問題を解説【ルネサスの代理店集約について】
ルネサスの代理店集約問題についての結論は以下の通りです。
・ルネサスは日立・三菱・NECの代理店をそのまま引き継いている
・本来は代理店集約して効率化すべきだったが、そのまま残存して現在に至る
・あまりにも非効率的なので、遅すぎる集約が今後進む見込み
ルネサスは2019年現在、16社もの販売代理店を抱えています。
しかし16社は、あまりにも多すぎです。
縮小傾向にある日本の半導体市場で16社も商社を抱えるのは、非効率すぎます。
しかもルネサスは、19年度は赤字に転落しそうな見込みです。
(19年第三四半期決算が42億円の赤字)
遅すぎますが、これから商社の集約が進められていく見込みです。
ルネサスは日立・三菱・NECの代理店をそのまま引き継いている
ルネサスは、2019年現在、16社もの代理店が存在します。
佐鳥電機(株)
新光商事(株)
菱電商事(株)
菱洋エレクトロ(株)
(株)リョーサン
(株)グローセル
協栄産業(株)
東海エレクトロニクス(株)
加賀デバイス(株)
三信電気(株)
(株)たけびし
(株)立花エレテック
ミカサ商事(株)
八洲電子ソリューションズ(株)
萩原エレクトロニクス(株)
藤田電機工業(株)
※順不同、ルネサスHPにて確認
ルネサスがここまで多くの代理店を抱えてしまっているのには歴史的な背景があります。
それは、ルネサスが日立・三菱・NECの3社が合併した会社だからです。
ルネサスは3社の代理店を引き継いでいます。
グローセルは日立半導体を扱っていた商社ですし、菱電商事は三菱関連の商社です。
普通は、合併のタイミングで商社は適切な数へと集約されるのですが、ルネサスの場合は16社も残ったまま現在に至ります。
販売代理店が多いことの弊害
でも代理店が多いと何が問題なのでしょうか?
一言で言うと、販売効率が悪いからです。
ルネサスにとって、16社も代理店をコントロールするのは大変です。
本来は2、3社に集約して、代理店間を競争させるのが理想です。
外資系の半導体メーカーは、2~3つの代理店を徹底的に競わせる方法を取っているよね
ルネサスが代理店を集約出来ない理由は?
では何故ルネサスは今まで代理店を集約せずに温存していたのでしょうか?
その理由は、株主であった日立・三菱・NECの意向が働いていたからです。
販売代理店の幹部は、親会社であった旧日立・三菱・NECからの天下りであるケースが多いです。
販売代理店の偉い人(天下り)「これからも宜しく笑」
ルネサス営業「はっ、はい・・・」
結局ルネサスは、非効率とは分かっていながら多くの代理店を残さざるを得ない状況になっていたのです。
今後は代理店の集約が進む見込み
現在のルネサスは、非効率な代理店を抱え込む余裕は無くなっています。
2019年度、赤字に転落する可能性が高いことから、早急な改善が必要です。
基本的には、会社の規模が大きい代理店に集約されていくものと思われます。
日経新聞の記事では、6社へ集約とありますが、個人的にはそれでもまだ多い気がします。
思い切った改革が出来ないのが、ルネサスが停滞している一番の原因にもなっています。
ルネサス製品の調達担当がすべきことは?
会社規模が小さい代理店は、今後ルネサス製品の商権が無くなる可能性が高いです。
現在、規模が小さい代理店経由で購入している場合は、今後の動向に注意しましょう。
基本的には特にこちらから動く必要は無く、ルネサスからの通知を待つだけです。
ルネサスからの連絡があり次第、変更先の代理店と口座があるかどうかの確認、必要に応じて口座開設の手続きをしていきましょう。
まとめ
本記事のまとめです。
・ルネサスは日立・三菱・NECの代理店をそのまま引き継いている
・本来は代理店集約して効率化すべきだったが、そのまま残存して現在に至る
・あまりにも非効率的なので、遅すぎる集約が今後進む見込み
代理店の集約は、本来なら3社が一緒になったタイミングで行うべきことでした。
それが今更になってようやく検討していること自体、ルネサスの動きの遅さを物語っています。
今後、ルネサスが反転攻勢に出ていくためには、経営の効率化が必要不可欠です。
これからのルネサスの動きに、注目していきたいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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