信越化学工業の株価が急落している理由を解説【買い場到来?】

信越化学工業の株価が急落している理由を解説【買い場到来?】 資産運用
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、信越化学工業の株価が急落している理由を解説しています。

      

信越化学が年初来最安値を更新しております。

      

【出典】Google市場概説_信越化学工業株価推移
【出典】Google市場概説_信越化学工業株価推移

        

年初来で、30%近く株価が下げております。

ですが信越化学工業は、今年度も最高益を更新する見通しとなっております。

そんな絶好調の信越の株価がなぜ暴落しているのでしょうか?

      

そこで本記事では、信越化学工業の株価が急落している要因を詳しく分析していきます。

同社への投資を考えている方へ役立つ情報をお届けします。

      

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信越化学工業の株価が急落している理由を解説【買い場到来?】

     

信越化学の株価が下がっている要因をまとめました。

        

・半導体市況の急落でウエハ需要減少

・塩ビの市況の下落で売上・利益ダウン

・米国の住宅市場の冷え込みで、米塩ビ需要下落

        

コロナ以降、絶好調の信越化学に異変が生じております。

こうした環境の変化によって、信越の株価は大きく下落しております。

詳しく解説します。

       

       

半導体市況の急落でウエハ需要減少

2020年以降、半導体の需要は大きく伸びました。

特にテレワークや巣ごもり需要で、PCなどの需要が急増しました。

その結果、半導体は世界的に不足。社会的にも問題になりました。

       

     

逆に2022年は、潮目が変わりつつあります。

サプライチェーン上に半導体の在庫が溜まって来たことで、調整局面に入りつつあります。

また、PC・スマホなどの需要も減少しつつあります。

     

こうした状況によって、世界最大手の半導体メーカーであるインテルは、生産計画を下方修正しております。

      

      

またフラッシュメモリを製造する「キオクシア」は、需要減によりウエハの投入枚数を30%減少させることを発表しました。

       

キオクシア(旧東芝メモリ)は30日、四日市工場(三重県四日市市)と北上工場(岩手県北上市)において、10月から当面の間、フラッシュメモリの生産調整を行うと発表した。中間材料であるウエハーの投入量を約3割削減する。

【出典】ロイター_キオクシア、10月からフラッシュメモリ減産 ウエハー投入3割減 ※太字は著者

           

このように大手半導体メーカーで、減産の動きが急速に進んでいます。

半導体メーカーの減産によって、信越化学の「ウエハ」の売上も大きく減る事が予想されています。

      

2022年1Qの決算説明資料で、信越化学は「まだ大きな減産の兆候は見られない」と説明しています。

      

現時点において、特に300mm ウエハーの大きな需要減は見込んでいません。

【出典】信越化学工業_2022年度1Q決算説明電話会議要旨

       

ただ大手顧客が軒並み大幅減産に踏み切っていることを考えると、早晩信越の受注へも影響が出る事は明白です。

今後の決算発表で、影響が出ることが懸念されることから、株価は先行して下落しているのです。

        

塩ビの市況の下落で売上・利益ダウン

信越化学工業は、電線の被覆や住宅資材に使われる「塩ビ(PVC)」を製造しています。

この塩ビは汎用的な材料なので、市況価格が存在しています。

そして塩ビの市況価格は、アジアを中心に下落傾向にあります。

       

建設資材や日用品など幅広い用途のある塩化ビニール樹脂のアジア向け輸出価格が4カ月連続で下落した。アジアの主要輸入国であるインドや中国向けの輸出価格は前月比2割下落し、約2年ぶりの安値となった。

【出典】日本経済新聞_塩ビ樹脂の輸出価格、2年ぶり安値 4カ月連続で下落 ※太字は著者

      

市況価格が下がると、信越の売上・利益は減少します。

実際、2022年度1Q決算では、価格下落の影響を受けたとの説明となっています。

     

塩化ビニルに関しては、需要は4月まで堅調に推移し、5月に入りアジア地域で調整が見られました。

【出典】信越化学工業_2022年度1Q決算短信

         

アジア市場を牽引する中国は、現在不動産バブルの崩壊によって、不動産市場が急速に冷え込んでいます。

不動産市場が落ち込むと、建築資材関係需要も減る事が容易に想定できます。

      

こうした外部環境の変化によって、信越の株価は大きく下落しているのです。

      

米国の住宅市場の冷え込みで、米塩ビ需要下落

信越化学は、子会社である米国シンテック社で塩ビを製造しております。

そのため米国市場は、同社にとって主力の市場となります。

その中でも一番の需要先は、米国の住宅に使われる建築資材です。

     

ですが2022年になって、米国の金利が急上昇しています。

30年の固定ローンの金利は、何と6%台まで上昇しています。

これは、リーマンショック直前以来の高い利率です。

        

【出典】Investing.com_アメリカ 抵当証券 30年住宅ローン利率
【出典】Investing.com_アメリカ 抵当証券 30年住宅ローン利率

         

このように金利が上昇した事で、米国住宅市場は急速に冷え込んでいます。

実際、直近2022年の米国の住宅着工件数は減少傾向にあります。

      

米国センサス局は7月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は144.6万件(前月改定値:159.9万件)と155.9万件から上方修正された前月、市場予想の152.7万件(Bloomberg集計の中央値)を大幅に下回った

【出典】ニッセイ基礎研究所_米住宅着工・許可件数(22年7月)

        

金利が6%になると、金利が高すぎて住宅ローンを組むのが困難になります。

こうした金利上昇によって、建設需要は今後減少していくことが予想されています。

     

塩ビは設備産業です。

需要が落ちたからといって、簡単に生産量を落とすのは難しいです。

今後、供給過多となり市況価格が下落し、信越の売上・利益が下がることが予想される事から株価は先行して下がっているのです。

        

信越化学工業の株価が急落している理由

信越の株価が下がっている理由をまとめました。

       

・半導体市況の急落でウエハ需要減少

・塩ビの市況の下落で売上・利益ダウン

・米国の住宅市場の冷え込みで、米塩ビ需要下落

      

信越は、景気敏感銘柄です。

景気が悪化すると、業績も悪化し株価も大きく下がります。

今後の景気次第では、更に株価は下がる可能性もあるので注意が必要です。

    

一方で個人的に、信越化学工業は超優良企業です。

利益率も非常に高く、今後の成長も期待できる優良銘柄です。

今後大きく株価が下がるなら、買い場だと思うので積極的に買っていきたいと思います。

      

      

尚本記事は、著者の意見をまとめたものであり投資を推奨するものではございません。

投資は自己責任にてお願い致します。

      

          

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