こんにちは、コロスケです。
今日はアメリカの半導体企業であるTI(テキサス・インスツルメンツ)について解説していきます。
2019年7月16日付けで、TIの販売特約店である丸文とTIの販売特約店契約が2020年9月30日を以って終了するとの プレスリリースが発表されました。
TIと丸文の契約が終了することで、今後何が変わるのか?資材部員は何をすれば良いのかという疑問を解決していきます。
TI(テキサスインスツルメンツ)と丸文の販売特約店契約終了
今回のプレスリリースの概要は以下の通りです。
・2020年9月30日を以ってTIと丸文との代理店契約が終了
・丸文に占めるTIの売り上げは、533憶円/年(売上の16.3%)
・後任の代理店は、東京エレクトロンデバイスか、マクニカ/富士エレ
半導体バイヤーや、電気設計者もびっくりの出来事でしたね。
丸文は1980年にTIと販売代理店契約を結んで以来、40年近く代理店としてTI製品を販売してきましたが、今回その関係に終止符が打たれることになりました。
丸文での TI 製品の売上高は18年度実績で553億円、売上の16.3%です。
個人的にはもっと比率は多いかなと思っていました。
ただ、TI製品の売り込みを通じてその他周辺部品の提案を行っていたはずなので、TI製品が売れなくなることで、設計者との繋がりも薄くなり、提案活動もやりにくくなるのではと想定します。
TIと丸文問題で今後資材部員が注意すべきこと
商権終了に伴い、資材部員が注意すべきことは以下の通りです。
・丸文が他の商権を得られるのか
・後任の商社がどこになるか
・発注先の変更などの商流変更手続きが必要
半導体商社が変更になることは良くあることなので、ベテランの資材部員は慣れっこだと思いますが、最近半導体バイヤーになった人向けに何をすれば良いのか説明していきます。
丸文が他の商権を得られるのか
丸文は売上が減って大変じゃないのかな?
大変だと思います。丸文は今までTIを販売していた人たちがやることが無くなってしまいます。
ただ半導体商社は面白い業界で、メーカーとの代理店契約を終了した商社が、別のライバルメーカーと代理店契約を結ぶことがたまにあります。
今まで丸文はTIの販売をしていたのでライバルの製品の販売は出来なかった(している商社もありますが)ので、これを機会に別のメーカーの商権を得る可能性があります。
半導体業界は一瞬目を瞑ると、あっという間に業界地図が変わります。今回の動きをきっかけにまた色々変化が起きるかもしれません。
半導体を担当している資材部員は、よく市場の動向をチェックしておきましょう。
後任の商社がどこになるか
後任の商社は、残された東京エレクトロンデバイスとマクニカ/富士エレの2社です。
追加で別の商社がTIと代理店契約を結ばない限りどちらか2社が販売代理店になります。
両社とも規模・実績共に問題無い商社ですが、あなたの会社と現在付き合いがあるか(口座があるか)は事前にチェックしておきましょう。
もし、新規に口座を開かないといけない場合は、手続きに時間がかかるので、要注意です。
そして、後任の代理店は基本的にはメーカー(今回の場合はTI)が決めます。日本TIへの発言権がある会社であれば、ある程度の意向を反映させることが出来るかもしれませんが、基本はメーカーの決定を待つしかありません。
発注先の変更などの商流変更手続きが必要
後任の代理店が決まったら、発注先の変更手続きをしましょう。
基本的には移管によって製品の購入単価は変わりませんが、移管先の見積書を入手し、発注先の情報の変更手続きや、ルーチン業務の引継ぎも必要となってきます。
色々やることがあって大変だね・・・
確かに面倒臭い作業ですが、半導体業界では良くあることなので、残念ですが諦めましょう。
具体的な手続きについて不明点があれば、後任の取引先が教えてくれますので、まずは打合せをして色々確認していきましょう。
今回は切り替えまで1年以上あるから慌てる必要は無さそうだね
最後に
資材部員にとって、市場の情報をいち早く入手し、社内関係者へ情報を展開することは、資材の付加価値を上げる大事なポイントです。
特に半導体は商社の技術的なサポートが求められる分野ですので、後任の商社がどこになるかは、資材部門だけでは無く、設計部門にとっても重要になります。
今後代理店政策の見直しをきっかけに色々な動きが出てくる可能性もありますので、半導体のバイヤーは今後も市場の動きを逐次チェックしていきましょう。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。
◆半導体全般の歴史について
◆半導体商社の再編について
コメント
初めまして、ググったらこのブログの記事が出ましたので拝見させていただきました。
丸文のWEBサイトには、まだTI社の紹介があるようですが、販売契約終了は撤回になったのでしょうか?またTIジャパンのサイトにも特約店ネットワークに丸文の名前が載っていました。
公式なアナウンスはありませんが、先月末に一部二次店販売が復活しています...
千葉@購買様
当サイト訪問頂きありがとうございます!丸文のサイトにTIの紹介があるのは、まだ代理店契約が終わっていないからです。2020年9月30日までなのでそれまでは記載されていると思います。丸文経由で購入している場合、来年から順次変更のアナウンスがあると思います。
お返事ありがとうございます。
書き込んだ直後に半導体取扱商社より同様の話を聞きました。
当社はアロー系某通販サイト経由にて購入できることになったので、目先の購入に関しては何とか事足りている状況です。