取引先への正しいクレームの入れ方5つのコツ【交渉のプロが解説】

取引先への正しいクレームの入れ方 資材業務について
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この記事では、取引先への正しいクレームの入れ方を解説します。

  

取引先へのクレームって難しいですよね。

普段のやり取りとは違って、お互い険悪なムードになりがちなので、失敗してしまう人も多いと思います。

  

僕はメーカーの資材調達部門で、10年以上取引先との折衝を続けてきました。

今回は、調整のプロである著者が「取引先への正しいクレームの入れ方」を詳しく解説します。

  

・クレームを入れると嫌われないかな・・・?

・クレームを入れると、毎回取引先と険悪な関係になってしまう

  

こういった悩みを解決します。

   

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取引先への正しいクレームの入れ方5つのコツ【交渉のプロが解説】

   

正しいクレームの入れ方のコツを5つ紹介します。

  

・「人」では無く「起きた事象」に対してクレームを入れる

・こちらのクレームが正しいことを相手に納得させる

・お願いではなく、指示をする

・クレームはその事象だけにする(後まで引きずらない)

・クレームを入れたことは必ず実行してもらう(フォローする)

    

クレームの入れ方って、学校でも会社でも習わないので我流になりがちです。

   

「何か上手くいかないな・・・」と感じた方は、上記4つのコツを実践してみて下さい。

きっと取引先と良好な関係を維持しつつ、自社の要望を伝えられるようになるはずです。

  

詳しく解説していきます。

  

そもそも何故クレームを入れる必要があるのか?

でも、何でクレームを入れる必要があるの?

  

クレームって、厳しいこと言う必要があるので、やりたくないですよね。

でも取引先と適切な関係を続けるためには、時にはクレームを入れる必要があります。

  

クレームを入れる必要がある理由

・相手のミス・不作為を是正させ、良好な関係を維持するため

・取引先への要求をため込むと自分が精神的に辛くなるから

   

相手のミス・不作為を是正させ、良好な関係を維持するため

取引先のミスや不作為を放置していると、自社の要求が通りません。

そうすると自社が一方的に我慢する展開になってしまいます。

  

対等な関係の2社が、良好な関係を維持するために、相手にやるべきことはやってもらう必要があります。

   

どちらかが我慢する関係は長続きしません。

  

取引先への要求をため込むと自分が精神的に辛くなるから

クレームは、自分のクレームでは無く「会社のクレーム」であることが大半です。

そのため、クレームを黙って飲み込んでいると、社内の関係者から「もっと厳しいことを言え!」と言われます。

 

こうなると、社内関係者と取引先との間で、自分が板挟みになってしまいます

これが長いこと続くと、精神的に自分が疲れてしまいます。

  

必要な要求・クレームは、取引的に適切に伝えましょう。

  

クレームの入れ方が下手な人の特徴

取引先に上手くクレームが言えない人の特徴は以下の通りです。

  

・怖くてクレームを言えない人⇒取引先に舐められる

・必要以上に言いすぎてしまう⇒取引先からそっぽを向かれる

・クレームの言い方が下手⇒スルーされる・舐められる

  

怖くてクレームを言えない

クレームを言ったら、相手に嫌われちゃうかも・・・

   

経験が浅いと、相手になんて思われるか気にしてしまいますよね。

でも必要なことを言わないままにすると、相手の取引先から舐められるようになります。

   

この人は適当にやっても何の文句も言われないから、もっと適当にやろう

  

と思われてしまいます。

そうすると、社内の要求を伝えられず、取引先と良好な関係が築けなくなります。

  

そもそも適切なクレームを入れれば、嫌われることは有りません。

万が一、嫌われたとしても、適切なクレームであれば気にする必要はゼロです。

自信を持ってクレームを入れましょう。

  

必要以上に言いすぎてしまう

これは4,5年目くらいの勢いがある人に多い印象です。

相手の非を正そうとするあまり、ついつい言いすぎてしまうケースです。

 

これをやり続けると、確実に取引先がそっぽを向いてしまいます。

  

そこまで言われる必要があるのか?もうこの人とは一緒に仕事したくない。

   

と思われてしまいます。

感情的になると、必要以上のことまで言いがちです。

 

自分は何のためにクレームを入れているのか?を忘れないようにしましょう。

  

クレームの言い方が下手

せっかくのクレームも適切な使い方をしないと有効ではありません。

 

・本質的では無いクレームを入れる

・話が分かりにくい(結局何を言いたいのか分からない)

・ダラダラ話し続ける

  

クレームを入れた時、相手がぽかんとしていたり、聞き直してくる場合は要注意です。

自分の論拠が、あやふやな可能性があるので、注意しましょう。

  

正しいクレームの入れ方|5つのコツ

先ほどご紹介した正しいクレームを入れるための5つのコツの詳細を説明していきます。

  

「人」では無く「起きた事象」に対してクレームを入れる

クレームを入れるとき、相手を責めてはいけません。

  

・だからお前はダメなんだ

・前の担当の方が良かった

  

仮に相手の担当者が悪かった場合でも、決して相手の人格を攻撃してはダメです。

人格を攻撃すると、取引先との関係は一気に悪化します。

  

クレームを入れるときは、「起きた事象」に対してクレームを入れましょう。

  

クレームを入れるべき事象の例

・約束の期限を守らなかった事

・必要な準備を怠った事

  

相手のミス・不作為に対して、クレームを入れるようにすれば、取引先と揉めることは、ほとんどありません。

まずは、この点を意識してクレームを入れましょう。

  

こちらのクレームが正しいことを相手に納得させる

先ほど説明したようにクレームの入れ方が下手だと、相手は動きません。

クレームを入れる際は、相手が納得できる根拠をきちんと説明しましょう。

  

僕は、取引先にクレームを入れるときは、必ず前もって事前準備をします

  

・相手にミス・不作為があった事実を説明する

・ミス・不作為によってこちらに不都合が生じていることを説明する

・相手にやってほしいことを説明する

・相手の反論・質問を想定する

  

最初の頃は、「メモ帳に書き出す」のがおすすめです。

自分の言いたいこと、やってほしいこと、話の流れが明確になります。

  

特にクレームを入れるときは、精神的に高揚していることが多いです。

冷静になる意味でも、一度自分の言いたいことを整理してみましょう。

  

お願いでは無く指示をする

〇〇してもらえませんかね??

  

上記のようにへりくだってお願いをしてしまう人がいます。

でもクレームを入れるときに、お願いするのはNGです。

   

クレームは相手のミス・不作為を指摘し、相手の行動を是正させる行為です。

お願い(相手に行動の決定をゆだねるもの)とは違います。

  

きちんとお願いと指示を使い分けましょう。

詳しい使い分け方は、以下の記事を参照してください。

  

取引先との関係を強化する正しい接し方を解説【お願いと指示】
取引先との関係を強化する接し方を知っていますか?お願いと指示の2つの使い分けすることで劇的に関係性が改善します。取引先と良好な関係を築きたい方はこの記事をご覧下さい。

   

クレームはその事象だけにする(後まで引きずらない)

クレーム入れると、ヒートアップしてしまいがちです。

すると、本来はクレームを入れるべきでない事にまで、クレームを入れてしまうことがあります。

  

〇〇ちゃんとやってね!!あと(関係無いけど)見積も明日までに必ず出しなさい!!

   

関係無いことまでクレームを入れると、本来のクレームの価値が下がります。

 

(いやいや、それは今回の件とは関係ないでしょ)

  

と思われてしまいます。

相手に「この人は感情の生き物」なんだと思われ、クレームしても「(はいはい)」と思われて、行動が伴わなくなります。

  

ここぞという場面で、相手の非があるときに使うことで、クレームは威力を発揮します。

関係無い事象には使わないようにしましょう。

  

クレームを入れたことは必ず実行してもらう(フォローする)

クレームを入れて満足してしまう人が多いです。

しかし、クレームの目的は「相手に必要な行動を取ってもらうこと」です。

  

クレームで要求したことを、やらなくて済ませると、

  

なーんだ、結局口だけだったのね。今度からもクレーム来てもスルーしよう。

  

と相手に思われます。

せっかくクレームを入れても、相手はその場だけ愁傷な態度を取りますが、部屋を出ると完全に忘れてしまいます。

  

こうなるとクレームを入れても何の効果もありません。

 

クレームを入れるからには、必ず相手に実行させましょう。

そのために必要に応じて、フォローをしていきましょう。

  

クレームでは感情(怒り)を入れるべきか?

クレームを入れるときは、怒った方が良いの?それとも淡々と言うべき?

   

まず前提条件として、感情的になってはいけません

感情的になると、取引先と喧嘩になったり、収拾がつかなくなります。

  

その上で、時には感情を入れて、怒るべき時もあります。

怒るべきか、淡々と言うべきかは、「場面と相手」によります。

  

起きた事象が深刻な問題の時は、怒りの感情を入れるべきです。

深刻な場面でヘラヘラしていると、相手に切迫度が伝わりません。

  

また、相手のパーソナリティを見極めてしゃべる必要があります。

 

冷静に言っても伝わらないような相手には、怒りの感情を入れた方が効果があります。

逆に怒るとへそを曲げるような相手は、冷静に淡々と言った方が良い時もあります。

  

交渉では、「相手を見て、交渉のスタイルを変えるべき」です。

相手に合わせた交渉をすることで、成功の確率をグンと上げることが出来ます。

  

でもどうやって相手のパーソナリティを見極めれば良いの?

  

これは、普段の打合せ・電話で探るしかありません。

毎日取引先とやり取りを続けることで、徐々に適切な方法が見えてくるようになります。

  

「怒り」を適切に用いることで、クレームの効果を高めましょう。

  

まとめ:適切なクレームを入れて良好な関係を築こう

正しいクレームを入れるためのコツをまとめます。

  

・「人」では無く「起きた事象」に対してクレームを入れる

・こちらのクレームが正しいことを相手に納得させる

・お願いではなく、指示をする

・クレームはその事象だけにする(後まで引きずらない)

・クレームを入れたことは必ず実行してもらう(フォローする)

   

クレームは、使い方を間違えると、取引先との関係を悪化させるリスクがあります。

   

上記コツを実践するだけで、クレームの効果を最大限高めることが出来ますし、取引先との関係をより良いものに出来ます。

  

取引先とのやり取りで、活用してもらえると嬉しいです。

   

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

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