こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、カルビーの株価はなぜ安いのか詳しく解説しています。
ここ数年、カルビーの株価はダウントレンドです。
5年前と比べて、株価が30%ほど下落しています。
株価が安くなってきたので、投資を考えている方も多いと思います。
そこで本記事では、カルビーの最新業績と、なぜ株価が安いのかを分析していきます。
カルビーへの投資を考えている方に、役立つ情報をお届けします。
【スナックの王者】カルビーの株価はなぜ安いのか詳しく解説
カルビーの株価が安くなってきた理由をまとめました。
・原材料の高騰で原価率が上がっているから
・海外事業の利益率が低い
・もうひとつの中核であるシリアル事業でシェア低下
・元々の株価が期待先行で上がりすぎていたから
カルビーは、利益率も高く財務良好の素晴らしい企業です。
一方で最近は、上記課題も抱えております。
詳しく解説します。
カルビーの概要をざっくり解説
カルビーの概要をまとめました。
・2021年度の売上2,454億円、営業利益251億円
・スナックの国内シェア圧倒的1位
・国内のシリアルのシェアもNo1
カルビーは、スナック菓子を製造するメーカーです。
「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」「じゃがりこ」など、誰もが食べたことがある超有名ブランドを擁しており、国内のスナックシェアは圧倒的1位です。
またシリアル食品でも、国内1位となっております。
カルビーのここがすごい!
カルビーの経営資料を読みましたが、カルビーはすごいところが沢山あります。
・高利益体質
・財務鉄壁
・株主還元に積極的(累進配当・自社株買い)
・海外での成長余地
カルビーは食品企業ですが、営業利益率が10%という高利益体質の企業です。
新型コロナウイルスが広がった2020年度も、安定した利益を生み出しています。
また財務状況も鉄壁です。
自己資本比率は70%台となっており、財務体制は盤石です。
そして、カルビーは株主還元にも積極的です。
配当は累進配当となっており、確実に増配し続けております。
また2021年度には、総株式の約3.3%にあたる120億円の自社株買いを実施しました。
このように株主還元に積極的というのも高評価です。
最後に、カルビーは海外事業も強化しております。
2021年度実績では、海外比率は23%となっておりますが、これを40%まで伸ばす計画を立てております。
実際、海外の売上高は順調に伸びており、今後も売上の成長が期待できます。
値上げを断行できるブランド力
カルビーがすごいと思ったもう一つのポイントは「値上げ断行できるブランド力」です。
2021年以降、原材料の価格が高騰しております。
原材料は高騰していますが、食品業界は消費者が値上げに敏感です。
そのため各企業は、なかなか抜本的な値上げに踏み切れておりません。
しかし、カルビーは圧倒的ブランド力を背景に値上げを断行しています。
2022年度については、計3回に渡って値上げを行う予定です。
かっぱえびせんは、6月に内容量を減らす+値上げをした上で、11月に更に10%~20%も値上げする予定です。
値上げの勢いがエグいです。
それだけインフレが凄いという事なんですが、値上げに敏感な日本国内で、ここまで値上げを断行できるブランド力はすごいです。
このように完璧に見えるカルビーですが、なぜ株価が下がっているのでしょうか?
原材料の高騰で原価率が上がっているから
徹底的に値上げを断行しているカルビーですが、実はそれでも原材料の高騰をカバーできておりません。
実は2021年になって、カルビーの原価比率は大きく悪化しております。
これまで55%前後だった原価率が、一気に10%ほど悪化しています。
2022年度1Q決算では、原価値上げが全然追いついていない事が分かります。
カルビーは今後の値上げで、こうした原価悪化をリカバリーする方針です。
しかし、こうしたインフレ影響がカルビーの経営にもマイナス影響を与えております。
海外事業の利益率が低い
カルビーは、現在海外事業の売上が23%ほどあります。
アメリカ、中国など、10の国と地域で事業を展開しています。
海外の売上を順調に伸ばしているカルビーですが、実は悩みがあります。
それは、海外事業の利益率の低さです。
2021年度の実績では、海外事業の営業利益率は3.1%となっております。
国内の利益率10%と比べると、かなり低い数字となっています。
地域別にみると、中華圏以外はかなり苦戦していることが分かります。
(北米とインドネシアは赤字)
今後は、利益率が低い地域の利益率を底上げしていくことが求められます。
但し現在は原価が悪化しており、海外で適切に値上げを進めるという難しい舵取りが求められています。
もうひとつの中核であるシリアル事業でシェア低下
カルビーは、ポテトチップスのイメージが強いですが、実はシリアル事業も行っています。
カルビーは「フルグラ」という商品で、シリアルの国内シェアNo1となっております。
しかし近年、フルグラのシェアが低下傾向にあります。
競合の「オートミール」にシェアを奪われているがシェアダウンの要因です。
競合オートミールの攻勢によりシェアダウン
【出典】カルビー2022年3月期業績 国内事業
我が家も一時期はフルグラが食卓に並んでいましたが、最近はオートミールを食べる機会が増えました。
実際の購買者である妻に聞いてみると「フルグラは値段が高い。オートミールは安い美味しいから」とのことでした。
このように強力なライバルが登場したことで、カルビーのシリアル事業環境は厳しくなってきています。
元々の株価が期待先行で上がりすぎていたから
カルビーは、財務優良で利益率も高い企業です。
こうした優良企業の株価は、時として実態の価値以上に株価が釣り上がるケースがあります。
まさにカルビーも、そのケースに該当します。
5年前カルビーの株価は、4,000円ほどでした。
しかし4,000円の株価は、かなり割高な水準でした。
PER:30倍前後
配当利回り:1%程度
当時は優待バブルということもあり、優待を出す銘柄は実態以上の高値で取引されていました。
しかし2018年以降、優待バブルが崩壊し株価は下落傾向にあります。
ちなみに現在の株価2,800円前後だと、割安さは以下のとおりとなります。
PER:23倍(22年度見込み)
配当利回り:1.9%
優良銘柄であることを考慮しても、今の価格はまだ割高な感じがします。
2,000円くらいまで下がれば、単元を買っても良いかなという感じです(強欲)。
まとめ:カルビーの株価はなぜ安いの?
カルビーの株価が安い理由をまとめました。
・原材料の高騰で原価率が上がっているから
・海外事業の利益率が低い
・もうひとつの中核であるシリアル事業でシェア低下
・元々の株価が期待先行で上がりすぎていたから
カルビーは、食品銘柄の中でも優良な銘柄です。
一方で海外事業での利益率の低さや、原価高騰など様々な課題を抱えています。
個人的には今の下がった価格でも、若干まだ高いという印象です。
この記事がカルビーの業績分析の参考になれば幸いです。
なお本記事は、著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではありませんのでご注意下さい。
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