TOTOの株価が下落している理由を解説【住宅市場急落!】

TOTOの株価が下落している理由を解説【住宅市場急落!】 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、TOTOの株価が下落している理由について解説しています。

      

最近TOTOの株価が大きく下げています。

     

【出典】Google市場概説_TOTO株価推移
【出典】Google市場概説_TOTO株価推移

      

5,500円だった株価が4,000円台まで下落しております。

特に2022年2Qの決算発表を受けて、株価は急落しております。

     

株価が下がっているので、リバウンド狙いでの購入を検討している方も多いと思います。

そこで本記事では、TOTOの株価が下がっている要因を詳しく解説していきます。

      

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TOTOの株価が下落している理由を解説【住宅市場急落!】

      

TOTOの株価が急落している理由をまとめました。

      

・米中の不動産市場が急ブレーキで、トイレ需要減少

・部材費、物流費の高騰で原価悪化

・今までの株価が単純に高すぎた

       

株価が下がったので、買いかな?と思いましたが、まだまだ割高でした。

     

TOTOの概要をざっくり解説

TOTOの経営概況をまとめました。

     

・売上7,170億円、営業利益540億円(営業利益率7.5%)※22年度予想

・トイレ、キッチン、洗面所など、水回りの製品を製造

・近年は半導体向けにセラミック事業(静電チャック)が伸びている

      

TOTOは、トイレなどの水回り製品を製造している会社です。

      

【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料
【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料

     

日本のみならず、世界中に事業を展開しているグローバル企業です。

      

【グラフ】TOTO売上高推移
【グラフ】TOTO売上高推移

     

売り上げは長期的に横ばいでしたが、2022年度は円安及び販売価格の改定で、売り上げ増加の見通しです。

    

【グラフ】TOTO_EPS推移
【グラフ】TOTO_EPS推移

    

EPSはコロナ禍でダウンしましたが、21年度以降V字回復しております。

     

【グラフ】TOTO1株配当金推移
【グラフ】TOTO1株配当金推移

     

配当金は、2020年度に減配しましたが、21年度にV字回復。

2022年度も増配予想となっています。

     

新しい柱「セラミック事業」がすごい!

TOTOいえば、トイレなど水回り製品が主力事業です。

しかし、近年は新しい事業としてセラミック事業が急速に育っております。

     

具体的には、半導体製造装置に使われる「静電チャック」などが主力です。

     

【出典】TOTO_静電チャック
【出典】TOTO_静電チャック

      

近年半導体需要の急増によって、セラミック事業も急速に拡大しています。

     

【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料_セラミック事業
【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料_セラミック事業

      

このように前年比で、売り上げ・利益ともに大きく上昇しています。

240億円の売り上げで、105億円の利益(利益率44%)はすさまじい高利益です。

           

そんなTOTOですが、どうして株価が下がっているのでしょうか?

     

米中の不動産市場が急ブレーキ

TOTOの事業は、トイレなど住宅・ビルに使われます。

そのため、売り上げは住宅やビルの着工件数に影響を受けます。

    

現在TOTOが注力している中国・アメリカ市場では、急速に不動産市場が冷え込んでいます。

アメリカでは、政策金利が急速に引き上げられています。

     

【出典】Investing.com_アメリカ 抵当証券 30年住宅ローン利率
【出典】Investing.com_アメリカ 抵当証券 30年住宅ローン利率

      

上記のグラフの通り、米国の住宅ローン金利は、なんと年利7%になっています。

金利上昇により、不動産需要が急速に冷え込んでおります。

     

また中国では、静かに不動産バブルが崩壊しております。

不動産会社は資金繰りに苦しみ、マンションの工期が遅れております。

    

中国ではマンション完成前からお金を振り込む契約となっているのですが、マンションが完成しないことに抗議しており、デモや不払い運動に発展しております。

     

【出典】The Wall Street Jounal_中国の未完マンション問題、ローン返済停止求め抗議拡大
【出典】The Wall Street Jounal_中国の未完マンション問題、ローン返済停止求め抗議拡大

     

このように、中国では不動産市場に深刻な問題を抱えております。

実際、TOTOの2022年2Q決算では、中国の売り上げが大幅に落ちています。

    

【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料_中国大陸事業
【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料_中国大陸事業

       

このように前年比で大幅に売り上げがダウンしており、厳しい状況であることがわかります。

      

部材費、物流費の高騰で原価悪化

2021年度以降、世界的に急速なインフレが進んでおります。

素材・電子部品・半導体などが軒並み値上がりとなっており、製造業の原価を悪化させています。

TOTOでも、銅・樹脂・鉄鋼などの原材料の悪化影響をもろに受けています。

       

加えて、物流費も高騰しております。

2021年度以降、海上輸送の需要が急回復したことで、海上輸送運賃が歴史的な高値となりました。

      

【出典】日本郵船_定期船運賃市況
【出典】日本郵船_定期船運賃市況

      

またアメリカは、国内の輸送費も上昇しております。

TOTOの製品は、いずれも重たくかさばるものばかりです。

    

こうした原料・物流費の高騰によって、2022年度上期は116億円ものマイナス影響がありました。

     

【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料_営業利益差異
【出典】TOTO2022年度2Q決算説明資料_営業利益差異

      

今までの株価が単純に高すぎた

TOTOの業績を調べていて思ったことは「単純に今までの価格が高すぎ」ということです。

一時期TOTOは株価が5,500円でしたが、その時のバリュエーションは以下のとおりです。

       

株価5,500円の時

・配当利回り:1.8%

・PER:22.2倍

     

TOTOは成熟企業です。

売り上げ・利益は横ばいで、大きく成長する訳ではありません。

   

こうした成熟企業がPER20倍は少し高い気がします。

日経平均のPERが12倍~15倍程度なので、日本企業の平均としても高いです。

    

また配当利回りも1%台とかなり寂しい感じです。

個人的にこのバリュエーションでは、高くて買えません。

    

現在株価が下がっているのは、期待先行で上がっていた分が戻っているだけです。

そのため、株価が下がったからと言って割安ではない点に注意が必要です。

      

まとめ:TOTOの株価が下落している理由

TOTOの株価が下落している理由まとめです。

      

・米中の不動産市場が急ブレーキで、トイレ需要減少

・部材費、物流費の高騰で原価悪化

・今までの株価が単純に高すぎた

      

TOTOは、海外の住宅需要の減速と、物価高騰影響で苦しい経営状況となっております。

これまで割高だったこともあり、株価は急落しております。

    

この記事がTOTOの企業分析の参考になれば幸いです。

また本記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではございませんのでご注意下さい。

  

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