住友化学の株価が低い理由を解説【円安なのにまさかの減益】

住友化学の株価が低い理由を解説【円安なのにまさかの減益】 株/ETF/投資信託
スポンサーリンク

こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、住友化学の株価が低い理由を解説しています。

     

最近、住友化学が個人投資家に人気です。

     

【出典】SBI証券_週間買付金額ランキング(NISA)
【出典】SBI証券_週間買付金額ランキング(NISA)

       

住友化学が人気の理由は、直近で株価が大きく下がっているからです。

住友化学は2022年2Q決算発表を受けて、株価が急落しております。

      

【出典】Google市場概説_住友化学株価推移
【出典】Google市場概説_住友化学株価推移

      

個人投資家は逆張り思考が強く、下落銘柄に飛びつく傾向があります。

また住友化学は、単元も安く個人投資家でも買いやすいという特徴もあります。

     

ですが株価が下がっているからといって、安易に投資をするのはリスキーです。

投資をする前に、きちんと株価が下がっている要因を調べるべきです。

     

そこで本記事では、住友化学の株価が低い理由を解説していきます。

同社への投資を考えている方に役立つ情報を提供します。

      

スポンサーリンク

住友化学の株価が低い理由を解説【円安なのにまさかの減益】

      

住友化学の株価が下がっているのは、直近の2022年2Qで通期見通しを下方修正したからです。

      

【出典】2022年度2Q決算短信_通期予想の見直し
【出典】2022年度2Q決算短信_通期予想の見直し

       

住友化学は、海外比率が70%もあるグローバル企業です。

通常海外比率が高いと、円安の恩恵で利益が増えるはずです。

    

しかし大方の予想に反して、住友化学は通期の利益予想を下方修正しました。

その結果、株価は大きく下落しております。

      

でもどうして住友化学の利益は下がったの?

    

住友化学の利益が下がった理由をまとめました。

      

・545億円の減損と事業構造改善費用84億円を計上

・ディスプレイ需要の急落

・石化事業の原料高騰で原価悪化

     

減損と事業構造改善費用を計上

住友化学は、2022年2Q決算で、特別損失を計上しています。

      

【出典】住友化学2022年2Q決算説明資料_非経常項目内訳
【出典】住友化学2022年2Q決算説明資料_非経常項目内訳

       

住友化学の21年度の営業利益は、2,150億円です。

今回の損失は、利益の1/4が吹き飛ぶ計算です。

     

でもどうして減損となったの?

    

減損となったのは、医薬品事業です。

子会社の住友ファーマが販売するパーキンソン病治療薬の特許権で、減損を計上しました。

      

パーキンソン病治療薬「キンモビ」が、当初の見込みほど利益が上がらず、今回のタイミングで大幅な減損を計上することになりました。

      

当社連結子会社の住友ファーマ株式会社は、同米国子会社(当社の孫会社)であるサノビオン社が米国で販売中のパーキンソン病に伴うオフ症状治療剤「キンモビ」について、2022 年 10 月6日に同社が公表しました通り、2020 年9月の上市後2年経過したものの売上計画を下回る状況が続いており、収益予測を見直した結果、本製品に係る特許権を全額減損し、減損損失を 54,370 百万円(406 百万米ドル)計上することとなりました。

【出典】住友化学_減損損失の計上および2023年3月期第2四半期業績予想の修正に関するお知らせ

      

ディスプレイ需要の急落

住友化学は、PCやスマホなどに使われるディスプレイ部材(偏光フィルム、タッチセンサーパネル)を製造しております。

     

2020年以降、ディスプレイ部材は巣ごもり需要で非常に好調でした。

しかし2022年になって、ディスプレイ需要が一巡し、需要が急落しております。

     

【出典】住友化学2022年2Q決算説明資料_情報電子化学セグメント
【出典】住友化学2022年2Q決算説明資料_情報電子化学セグメント

       

需要の減少に伴い、販売量が減少し、販売価格も下落しております。

今後の見通しも厳しいことが、住友化学の決算下方修正の一つの要因となっております。

       

石化事業の原料高騰で原価悪化

住友化学は、石油化学が事業の中心です。

石油化学事業は、原油・国産ナフサなど、市況価格の変動の影響を受けます。

       

2022年に入って国産ナフサ市況は、大きく上昇しております。

    

   

こうした原料の値上がりにより、住友化学の原価も悪化しております。

     

合成樹脂やメタアクリル、各種工業薬品等は原料・燃料価格の上昇に対し、販売価格への転嫁が追いつかず交易条件が悪化

【出典】2022年度2Q決算説明資料_エッセンシャルケミカルズセグメント

       

【住友化学】株価が低いのは買いのサイン?割安さを分析しました

      

でも株価が下がっているなら、買いなのでは?

    

そこで以降では、住友化学の割安さを分析していきます。

     

バリュエーションはそれなりに割安

株価470円の時で、割安さを調べてみました。

    

・PER:7.3倍(2022年度予想ベース)

・配当利回り:5.1%(2022年度予想ベース)

・配当性向:37%(2022年度予想ベース)

・PBR:0.6倍(2021年度実績)

    

この数字を見る限り、それなりに割安感があります。

また下方修正後の通期EPS目標は、控えめな数値であり、達成はできると思われます。

     

上記数値を踏まえると、直近で減配するリスクは低いと思われます。

今後もEPS60円台が安定して出せると思える方は、買いだと思います。

      

一方で住友化学の業績には波がある

一方で住友化学は、年によって業績に波があります。

     

【グラフ】住友化学_EPS推移
【グラフ】住友化学_EPS推移

     

元々石化事業は、原油価格の動向に業績が左右されます。

原油価格が暴落すると、2019年度のようにEPSが大きく減る傾向があります。

EPSが下がると、それに合わせて株価も配当も大きく下がります

      

現在は原油価格も高止まりしており、需要もそれなりに堅調です。

しかし市況は、好不況を繰り返します。

    

そのため、個人的には「敢えて市況価格が堅調な時に買う必要はないのでは?」と思っています。

住友化学は景気敏感株で、景気が悪化すると株価は大きく下がる傾向にあります。

今の株価が底とは思えず、場合によってはもっと下がる可能性もありそうです。

     

【出典】Google市場概説_住友化学株価推移
【出典】Google市場概説_住友化学株価推移

     

せっかく買うなら、周りから見捨てられた「赤枠」の時期に買いたいです(欲張り)。

    

まとめ:住友化学の株価が低い理由

住友化学の株価が安い理由まとめです。

      

・545億円の減損と事業構造改善費用84億円を計上

・ディスプレイ需要の急落

・石化事業の原料高騰で原価悪化

       

住友化学は、単元も低く、高配当となっております。

そのため、個人投資家の買いが集まっております。

    

一方で住友化学は景気敏感銘柄であり、下がる時は想像以上に下落する可能性があるので、要注意です。

    

なお本記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではございませんのでご注意下さい。

また、Twitterもやっていますので、是非そちらもフォローお願い致します!

       

     

     

コメント