こんにちは、コロスケです。
今日は製造業におけるムダな文化や業務を紹介していきます。
1980年代頃は日本の製造業のピークでした。
それ以降、日本の製造業は中国や東南アジアに完全に抜かれてしまいました。
身近に手にする物の多くが中国や東南アジアで作られたものばかりです。
1980年代に栄華を誇った日本の製造業は何故衰退してしまったのでしょうか?
その一つの鍵となるのが、日本の製造業におけるムダな文化や風習です。
僕は日本の製造業の資材部門で10年以上勤めておりますが、今まで多くのムダに出会ってきました。
今回は僕の10年間の経験を踏まえて、日本の製造業におけるムダな文化・業務を詳しく解説していきます。
・日本の製造業が衰退した原因を知りたい
・製造業のムダな文化が知りたい
・製造業で働く人たちはムダな文化にどう対応していけばよいのか?
上記疑問を解決していきます。
【製造業はオワコン?】ムダな文化や業務5選を資材/購買部員が解説
10年間製造業に勤めた僕が選んだ、製造業のムダな文化や業務TOP5は以下の通りです。
1位:誰も決めたがらない!決定を先延ばしにする風土(変化を嫌う)
2位:とりあえず会議・打合せを行う文化(ムダに時間を拘束)
3位:コスパが良くない資料作成(費用>効果)
4位:スタンプラリー!所内の稟議・回覧書類
5位:会社の飲み会という定時後の強制イベント
歴史のある会社ほど、上記ムダな文化が多く残っている印象です。
会社の文化にはそれができた理由があります。
当時は意味のある風習だったのでしょうが、日本の製造業は30年前と根本的な文化・風習は変わっていません。
その結果、今ではムダな文化になってしまい、従業員の生産性を下げているものが多くあります。
一つずつ会社・従業員の生産性を下げる「ムダ文化・業務」をご説明していきます。
【ムダ】第5位:会社の飲み会という定時後の強制イベント
会社へのマイナス貢献度 | |
従業員へのマイナス貢献度 |
不人気なイベントとして有名な会社の飲み会がムダ5位です。
飲み会に対する印象は人によって大きく違いますが、基本的にはメリットよりもデメリットの方が多いのが飲み会です。
個人的には、最近は昔のような強制チックな飲み会は減ってきているので5位になっております。
(僕の会社だけかもしれませんが・・・)
後述しますが、上記飲み会のメリットは他で代替できることが多いです。
飲み会のデメリットは以下の通りです。
例えば、毎月1回会社の飲み会に参加した場合、年間で4万8千円、36時間~48時間ものお金と時間を投入することになります。
僕の勘定では、得られるメリットに対してデメリットが多すぎです。
飲み会が好きな人もいるので、禁止にする必要は無いですが、少なくとも飲み会は任意の参加にすべきです。
でも同僚・上司との交流も大事じゃないかな?
同僚・上司とのコミュニケーションは定時内でも取れます。
もし交流が不足なら、たまにランチミーティングをすれば良いと思います。
ランチミーティングの良さは、お昼の休憩時間を有効活用できることと、値段が安いことです。
そして何よりお酒が無いので、生産性も落ちません。
どうしても交流が不足している場合は、夜では無く、ランチで交流してみてはどうでしょうか?
(ただ注意点としてはランチも強制はNGです。値段の高いランチを毎回強要されると、それも萎えます。あくまで任意の人でたまにやるべきイベントだと思っています)
【ムダ】 4位:スタンプラリー!所内の稟議・回覧書類
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製造業で、良く見かけるスタンプラリーです。
スタンプラリーとは、社内関係者全員の承認を得るために、書類にハンコを押印してもらう作業のことです。
色々な部門を回って沢山のハンコを押すことから、スタンプラリーという名前がついています。
スタンプラリーの目的は、関係者全員がOKしたよという証拠を作るためです。
一部の人の暴走を防ぐための手段であり、大きい組織になるほどスタンプラリーは増えていきます。
ただ、実際の業務でスタンプラリーをすると結構萎えます。
スタンプラリーは書類を回覧するのに、かなり時間がかかります。
一つの案件を回覧するのに平気で1週間くらいかかったりします。
また、書類を回覧しているので「いまどこまで進んでいるのか?」が分かりません。
スタンプラリーは、関係者全員がOKしたよという証拠を作るだけにも関わらず、かなり生産性が悪い仕組みになっています。
当時はスタンプラリーしか方法が無かったのかもしれませんが、今はメールや各種システムなど便利な機能があります。
多くの日本の製造業は、30年前のスタイルを未だに維持しています。
これでは最新システムなど効率的な仕組みを導入しているアジアメーカーのスピードに勝てません。
またスタンプラリーのもう一つの弊害は、「全員でハンコを押す」という行為です。
各部門が少しずつ責任を負っているので、結局誰も責任を負わない構図になっております。
危険な橋をみんなで渡る感覚です。
ビジネスを進める上では誰の責任かを明確にすべきですが、スタンプラリーでは責任部門を曖昧なものにしてしまうリスクもあります。
【ムダ】 3位:コスパが良くない資料作成(費用>効果)
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製造業に限らず日本の事務系職種では意味の無い資料作成が多いです。
意味の無い資料とは「費用対効果で、費用の方がかかる資料」です。
資料作成は、費用対効果の視点が欠けている
資料を作ることは、何らかのメリットはあります。効果はゼロよりは上です。
そのため会議・上司への報告・関係者への説明など、何かと資料を作る羽目になります。
そこでは「費やした時間以上の成果が出るのか?」という視点が欠けているケースが多いです。
働く時間は有限なので、生産性の低い資料作りに追われていると、本当に必要な作業が出来ません。
日本の職場では上記視点が無いのが一番の問題です。
昔のサラリーマンは、土曜日も会社へ行くなど、時間を無限に投入していました。
ただその分、給料が増えていくというメリットがありました。
現在は、時間をいくら投入しても、給料は増えることはありません。
むしろ時間を投入した分、時給が減少することの方が多いです。
現在、日本に求められているのは、今までより短い時間で同等以上の成果を出すことです。
資料作りの出戻りが生産性を下げる
また、資料の作成そのものも非生産的なことが多いです。
頑張って作成した資料を上司に提出したら、ダメ出しがあり一から作り直すことになった経験はないでしょうか?
同じ資料を作るのでも何回も作り直すと生産性は下がります。
この現象は上司と作成者の意図のミスマッチが原因です。
これは上司が具体的な要望を指示すればすむ話ですし、僕たち作成者も上司に要望を確認することでミスマッチを防げます。
このように資料を作成するときはゴールをはっきり決めることで、生産性を上げることができます。
大事なことは、この資料は何のためにやっているのかを明確化して、その成果と釣り合う投入時間で作り切ることです。
もし成果と投入時間が釣り合わない(コスパが悪い)場合は、そのまま突っ走るのでは無く、資料の中身を修正するなどの工夫が必要です。
場合によっては作成しないという判断(提案)も必要となります。
意味の無い資料作成をしていると、業務が終わらないので注意が必要だね
【ムダ】2位:とりあえず会議・打合せを行う文化(ムダに時間を拘束)
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会議は、生産性を下げる一番の要因です。
会議の生産性が下がる一番の原因は、「会議の結論(成果)と、投入する時間が見合っていないから」です。
これも先ほどと同じで、費用対効果が釣り合っていません。
意味も無く全員を会議に呼ぶ人は周りの時間を奪っている
日本の製造業は、会議・打合せが大好きです。
製造業は関係者が多いので、関係者みんなの合意を取るために大勢の関係者を招集しがちです。
ただ、その人に会議出席してもらい1時間を費やしてもらう価値があるのかを考えている人はほとんどいません。
とりあえず関係者全員を招集しようとする人は、周りの人の時間を奪い、組織全体の生産性を低下させます。
会議人数が多いと結局何も決まらない
また会議人数が多いと決まるものも決まらなくなります。
大人数の会議になるほど、議論がまとまりにくくなります。
大人数の会議が生産性を下げることはマイクロソフトの事例で証明されています。
マイクロソフトは、大人数の会議が生産性を下げると判断し、大人数の会議をしないように社員に指示しました。
具体的には「会議は多くても5人まで」というルールを作り、意味の無い大人数の会議をやめるようにしました。
その結果、週休3日と休みを1日増やしつつ、生産効率を4割上げることに成功しています。
それだけ大人数の会議は生産性を下げる悪い文化なのです。
マイクロソフトの事例は以下の記事で詳しく解説しています。
会議出席者の意識が低いことも問題
会議の生産性を下げる一番の要因は、出席者の意識が低いことです。
以下は出席者の意識が低いことを表す事例です。
・会議に遅刻してくる
・事前準備をしておらず、その場で調べ始める
・会議の目的を明確にしていない
・会議で結論を出そうと努力しない(話を蒸し返す)
こういう人がいると会議の生産性は著しく低下します。
結論を出すのに必要な確認を怠ったがためにもう一度会議を開く必要が出てきます。
日本の製造業の意味の無い文化は、この会議への意識が低い人たちに集約されています。
こういうムダな会議が無くなれば多くの人が定時で帰ることが出来るようになります。
正しい会議の進め方については以下の記事を参考にして下さい。
【ムダ】誰も決めたがらない!決定を先延ばしにする風土(変化を嫌う)
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堂々のムダ文化1位は、決定を先延ばしする風土です。
僕の会社も当てはまりますが、こういう風土の会社は成長が出来ません。
会議時間が長引き、会議回数も多くなるのは、誰も決断しないからです。
こういう風土の会社は「どういう判断材料があれば、どのような決断をするか」が明確でないケースが多いです。
そのため延々と議論をするわりには、何も決まりません。
会議に参加していて、何のために会議をやっているんだろう・・・?と疑問に思ったことは無いでしょうか。
これは会議自体が目的化してしまったケースです。
会議の目的を明確にしない限り、やった感はあるけど結局なにも決まらないことになります。
こういう日本の決めない、決められない文化はミスを極端に恐れる僕たちの意識にあると思います。
僕もそうですが、日本の教育は減点方式です。
こういう教育をずっと受けてきたので、僕たちはリスクを取ることがなかなかできません。
特に日本の製造業は、現状維持を望むバイアスが非常に強いです。
この風習を変えない限り、日本の製造業にイノベーションは望めませんし、未来も無いと思います。
ムダな文化に自分を合わせない
ムダだな・・・と思っても、これが会社のやり方だから仕方ないと思いがちです。
でも実は個人でも、生産性を上げる方法はいくらでもあります。
例えば、会議への出席について、費用対効果が見合わなければメールで意見を述べ、欠席することも可能です。
出席した会議が意味の無いものだったら、途中で退席することも可能です。
特に自分が会議の主催をする場合は、出来るだけ短い時間で結論を出せるようにすることで周りにも良い影響を与えることが出来ます。
また資料も、上司と資料のゴールを共有することでかなり作成時間を短縮することも可能です。
会社の風土が悪いから諦めるのではなく、自分が今できる改善をすることで生産性は大きく改善できます。
でもそこまで頑張って、生産性を上げる意味って何なの?
生産性を上げることのメリットは以下の通りです。
・仕事以外の人生が持てる
・心身ともに健康になる
残業時間が長いと人生=会社になりがちです。
定時帰りを実現することで仕事以外の人生を得られます。
詳しいメリットは以下の記事に書いていますので参考にしてみて下さい。
まとめ
製造業におけるムダ文化についてのまとめです。
1位:誰も決めたがらない!決定を先延ばしにする風土(変化を嫌う)
2位:とりあえず会議・打合せを行う文化(ムダに時間を拘束)
3位:コスパが良くない資料作成(費用>効果)
4位:スタンプラリー!所内の稟議・回覧書類
5位:会社の飲み会という定時後の強制イベント
日本の製造業は、色々なムダな文化・業務があります。
こういうムダな業務に付き合っていると、自分の体がいくつあっても足りません。
会社のムダな文化を理解した上で正しく対処していくことで、生産性を上げることが出来ます。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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