こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。
今日は、幸福について考えてみます(宗教の話じゃありません)。
先日、ブランド総合研究所が「都道府県・幸福度ランキング」を発表しました。
「どの都道府県に住んでいる人が幸福なのか?」を調べたおもしろい記事でした。
今回は、都道府県・幸福度ランキングの内容と、そこから読み取れる事を解説していきます。
都道府県_幸福度ランキングから感じた事【お金の重要度は低い】
まずこの調査の概要から説明します。
全国の平均点が70点なので「少し幸せ」と考えている人が多数という結果でした。
アンケート結果
アンケート結果は、以下のとおりです。
そもそも「幸せ」の定義が曖昧
「あなたは幸せですか?」という問いは、当たり前のようですが、実は曖昧な質問です。
例えば、お酒を飲んで上機嫌の時なら「幸せ」という回答が出やすくなります。
その逆に、何か悪い事があった直後だと「幸せでは無い」という回答になりやすいです。
また「やりがいがあり充実した人生を送っている」事こそが「幸せ」と思う方もいると思います。
実は同じ「幸せ」と言っても、時間軸は幅広いんです。
つまり、このアンケートは質問自体が曖昧なんです。
そのためか、たった1年で幸福度が大きく変動している都道府県が散見されます。
例1)静岡県 31位→4位
例2)熊本県 3位→35位
その時の500人の気分に左右されるので、あくまで参考値レベルと考えた方が良さそうです。
首都圏は不幸で、九州沖縄は幸福
一方で、このアンケートからは一定の傾向が見て取れました。
・首都圏(東京、神奈川、千葉、栃木、埼玉)は不幸
・九州・沖縄(沖縄・鹿児島・宮崎・福岡・佐賀・大分)は幸福
上記傾向は、2年連続で同じです。
そのため曖昧な調査の中でも、一定の信頼性があるのではと思います。
でも僕は「東京に住んでいる方が幸福」というイメージがありました。
そのため、この結果は少し意外な感じがしました。
収入の多さは幸福にはつながらない?
一般的に「収入が多いほど幸福」と言われます。
海外の研究でも「年収800万円になるまでは、年収が増えるほど幸福度が増す」のが定説です。
ですがDODAのデータによると、不幸な首都圏の方が収入が高い事が分かります。
逆に幸福な沖縄・九州は、収入が少ないです。
首都圏は物価が高いから収入だけでは比較できないのでは?
と思ったので、可処分所得データも見てみました。
結果は、可処分所得でも首都圏は高めで、九州・沖縄は低めでした。
この調査結果を見る限り、収入は幸福にはつながらないという事が読み取れます。
収入と幸福が比例しない理由
なぜ定説=「収入が多いと幸福」と逆の結果になったのでしょうか?
3つの仮説を立ててみました。
仮説①:幸福は周りとの比較で決まる。
周りも自分と同じ、もしくはそれ以上の収入があるので、幸福を感じにくい。
仮説②:首都圏には不幸の要因が多い。
長時間労働・長時間通勤・満員電車・渋滞など、不幸の要因が多い
仮説③:首都圏は人とのつながりが希薄
人との繋がりこそ、幸福の大切な要因
幸福は周りとの比較で決まる
首都圏の収入が高いという事は、周りも同じように収入が高い傾向にあります。
そのため、周りと比較すると「自分は大して収入が多くない」という感覚に陥りやすい気がします。
結局収入の多寡は、周りとの比較で相対的に決まるものです。
収入だけをみると、いくらでも上には上がいます。
そういう環境では、収入が高くても幸福を感じにくいのでは?と思いました。
首都圏には不幸の要因が多い
個人的に首都圏には、幸福を阻害するマイナス要因が多い気がしています。
・満員電車
・長時間通勤
・長時間労働
・道路の渋滞 etc…
特に首都圏のサラリーマンは、長時間通勤・満員電車がデフォルトです。
毎日往復で、2時間も満員電車に乗っていたら、不幸になりやすいのは当然だと思います。
こうした不幸の要因が首都圏の方が多いので、結果的に不幸になってしまうのではと感じました。
首都圏は人との繋がりが希薄
実は幸福の大きな要因の一つは「良好な人間関係」と言われています。
アドラー心理学では、「幸福の源泉は対人関係にある」と主張します。
悩みの源泉は対人関係にあるが、生きる喜びや幸せもまた、対人関係にある
【出典】嫌われる勇気
また幸福学の研究をしている前野教授も、幸福の一要素として「人との繋がり」を挙げています。
(幸せの)第二因子は他人に向かう幸せだと言うことができるでしょう。
【出典】幸せのメカニズム(前野隆司)_幸福の第二因子
都市部で生活する人は、地域社会との交流が希薄です。
地域社会とのややこしい交流がなくなる代わりに、幸福感も感じにくいと思われます。
逆に九州・沖縄は、おおらかで地域の人間関係が親密というデータがあります。
沖縄県:イチャリバチョーデー(行き会えば兄弟)。明るく大らかな風土に育まれ,地域の連帯意識が強く,人間関係が極めて親密で,県人意識,郷土意識は強い。
宮崎県:土地は豊かで気候は温暖という,恵まれた風土からか,おっとりした性格,温和な人が多いという。人とのつきあいは親密で,信頼感が強いのが宮崎県民の特徴である。
【出典】地域総合研究 第35巻 第2号(2008年)_九州地方の県民性
こうした人間関係の親密さが、幸福度に直結していると思われます。
幸福になるためのポイントは3つ
この結果から、幸福になるポイントを3つまとめました
・「収入は多ければ幸せ」は間違い
・幸福になるためには、不幸の要因を出来るだけ排除する事が大切
・人との繋がりを大切にする
まず「収入は多ければ多いほど良い」が間違いであるという点です。
僕も間違えますが、人は定量的な幸福として富を追い求めがちです。
ですが、今回の結果から「お金と幸福度は比例しない」事が分かります。
お金は、大抵の不幸を防ぐ大切なモノです。
ですが「お金があれば、すなわち幸せ」という言うのは間違いです。
お金とは、ほどほどの付き合いが良さそうです。
次に不幸の要因を取り除く事の大切さです。
「嫌だなぁ」というイベントは幸福度を大きく下げます。
通勤電車地獄の人は、お金をかけてでも職住近接にすることで幸福度が増す可能性が高いです。
なるべく不幸の要因を取り除く努力が大切です。
最後に人との繋がりです。
今の時代は、他人との付き合いは出来るだけ避けるべきものと考えられています。
ですが、ここまで説明したように、人との関係は幸福に直結します。
(たまに不幸になるケースもありますが・・)
そのため、地域のイベントに参加したり、古くからの友人を大切にするのがとても大切です。
面倒でも、できるだけ人との繋がりにリソースを割くことが幸福につながりそうです。
幸福の要素を正しく理解して、間違った道に進まないように注意しましょう。
このブログが参考になれば、幸いです。
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