株式投資で、損出しをしてみたいけど、どうやってやれば良いの?
こんな疑問に答えます。
こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
株を買った後に、含み損を抱えて困っていませんか?
含み損を抱えている場合は、含み損と税金を相殺することができます。
これを損出しと呼びます。
でも、損出しのやり方や仕組みをきちんと知っていますか?
損出しには正しいやり方があり、我流でやると失敗する可能性もあります。
そこで本記事では「損出しの正しいやり方」をどこよりも分かりやすく解説します。
損出しのやり方が知りたい方に、役立つ情報をお届けします。
損出しのやり方・方法を初心者向けに解説【失敗事例も紹介】
損出しのやり方は、以下のとおりです。
・含み損になっている株を売る
たったこれだけです。
あとは、証券会社が勝手に計算をしてくれます。(特定口座が対象)
そして、多く払い過ぎた税金を「自動で」振り込んでくれます。
実は損出しは、めちゃめちゃ簡単です。
難しそう・・・と思って諦める必要はありません!
一方で、損出しで返ってくる金額の計算は難しいです。
初心者の方でも一発で理解できるように、分かりやすく説明していきます。
損出しが出来る人の条件
損出しをするためには、条件が2つあります。
・確定利益(売却益・配当金)があること
・特定口座での取引であること
損出しとは、支払済みの税金の一部を取り戻す行為です。
そのため当年に確定利益があり、源泉徴収で税金を支払っている方が対象です。
また自動で損出しができるのは、特定口座の取引が対象となります。
特定口座とは、申告分離課税が適用になる上場株式等の譲渡益課税について、証券会社が損益の計算を行い、「特定口座年間取引報告書」を交付する制度です。
【出典】auカブコム証券_特定口座とは
特定口座では、面倒な手続きを証券会社が代行してくれます。
大半の方が特定口座で取引しているので、ここでも特定口座について解説していきます。
損出しのやり方・方法
次に、具体的な損出しの方法を説明していきます。
損出しの流れは、以下のとおりです。
・含み損が出ている銘柄を売却する
・買い戻す場合は、翌日以降に買う
まず、含み損が出ている銘柄を売却しましょう。
どうせ損出しするので、成行きで売るので良いと思います。
売却によって、あなたの損失が確定します。
あとは証券会社が自動で計算して、税金の一部を還付してくれます。
尚、同じ銘柄を買い戻す場合は、必ず翌日以降に買い戻して下さい。
同日に買うと、取得単価が平均化されてしまいます。
買い戻しをする場合は、翌日以降にしましょう。
損出しによる還付金計算方法
次に損出しによる還付金の計算方法を見ていきます。
具体的な事例として、以下のケースで考えてみます。
・本年に、20万円の確定利益がある
・損出しで10万円の確定損失がある
このケースでは、還付金として約2万円戻ってきます。
(※注:正確には取引毎での計算となるので、若干の差が生じます)
計算式は、以下のとおりです。
まず、損出し前の確定利益額を調べます。
今回のケースでは、a)20万円の配当利益があるとします。
次に損出しによる確定損失を調べます。
今回は、損出しによってb)10万円の確定損が出たと仮定します。
つまり、本年の正しい確定利益額は「a)20万円-b)10万円=c)10万円」となります。
次に、税金を計算します。
特定口座の場合、自動で税金は源泉徴収されます。
本年で得た利益が20万円の場合、20万×20.315%で約4万円の税金を支払い済みです。
次に、正しい利益額ベースでの税金を計算します。
先程の損出しにより、確定利益が「c)10万円」になりました。
そのベースで再計算すると、10万×20.315%=約2万円の税金を支払う必要がある事が分かります。
既に4万円を支払っているので、払いすぎの2万円を返してもらいます。
この2万円が還付金となります。※d)4万円ーe)2万円=2万円
これで、還付金がいくらになるのか計算できました!
お疲れ様でした。
実は取引毎に損益通算をするので、本当はもう少し計算は複雑です。
ただ、概算の還付金を知るには、この計算で十分だと思います。
損出しのやり方・方法【よくある質問と失敗事例を詳しく解説】
次に損出しでよくある質問と失敗事例を解説していきます。
損出しした金額が全額戻ってこない!
一番多い勘違いが、これだと思います。
先程の事例「10万円を損出ししたケース」だと、10万円還付されるはずと勘違いしがちです。
10万円分の損出ししたのに、どうして全部戻ってこないの?
残念ながら、損出しの損失全額が還付される訳ではありません。
先程の計算のように、損失額は利益額と相殺されます。
(a-bの部分)
確定損失=還付金では無い点に注意しましょう。
計算したい方は、上記イラストの通り計算してみて下さい。
損出しが出来なかった(NISA枠を使っているケース)
損出ししたのに、還付されない!どうなっているの?
次によくある失敗が、NISA口座での損出しです。
実は、NISA枠で買った銘柄は「損益通算」が出来ません。
一般NISAで取引した損益は、他の口座(一般口座や特定口座)と損益通算ができません。また、損失を翌年以降に繰り越しすることもできません。
【出典】金融庁一般NISAの基礎知識_一般NISAのデメリット
NISA枠での損失は、損益通算が出来ないので注意しましょう。
還付金の計算がどうしても合わない!
先程説明した還付金の計算方法は、簡易的な計算方法です。
実際は総額ではなく、取引毎に損益通算をします。
取引毎に損益通算をすることで、支払う税金の額が安くなるからです。
納付税額の計算は、納付税額が大きくならないために、順序ごとに損益通算いたします。
配当金・分配金・利金の源泉徴収は1回の支払いごとに税率をかけて、少数点以下は切捨てて算出していますので、1年間の合計金額から税率をかけると、源泉徴収税額が少なくなっています。順序ごとに損益通算することで、納付税額が大きくならないためのお客さま有利の計算方法になります。
【出典】SBI証券_問い合わせフォームでの回答(著者質問)
例えば、10回配当金を受け取った場合は、10回分税金が計算されます。
その方が、10回分の合計額で計算するより「税金総額が安く」なります。
また損益通算は、分類毎に行われます。
=納付税額の算出方法=
以下の順序で損益通算を行います。
通算順序1:国内株式/国内投信(公社債投信含む)・国内公社債
通算順序2:外国株式/外国会社型株式投信・外国会社型公社債投信
通算順序3:外国契約型株式投信/外国ETF
通算順序4:外国公社債・外国契約型公社債投信
【出典】SBI証券_問い合わせフォームでの回答(著者質問)
この理屈で行くと、「国内株式の利益と外国株式の損失は相殺できない」と思われます。
(すみません僕の損出しでは、上記事例が無かったので証明できていません)
そのため損出しをする場合は、同じ分類で損と利益がある事が必要だと思われます。
(国内株の損出しする場合は、国内株の利益があることが条件)
全額戻らないのに損出しする必要はあるの?
損出しで全額戻ってこないのに、損出しする意味あるの?
損出しをすると、損失が確定し、損の一部が返金されます。
損を全部回収できる訳では無いので、やる意味があるのか疑問に持つ方もいると思います。
ですが実際は、やる意味があります。
買い戻しをするなら、還付金分あなたのキャッシュが増えます。
損出し後に株価が上がった場合、損出しをしたケースでも値上がり益を享受できます。
このように損失は確定しますが、払った税金の一部が戻ってくる方がお得です。
まとめ:損出しのやり方・方法を初心者向けに解説【失敗事例あり】
まとめとして、損出しのやり方を再度掲載します。
・特定口座かつ確定利益があるケースにて損出しが可能
・含み損の銘柄を売却すると、自動で損益通算をしてくれる
・確定損失の全額が戻ってくる訳では無い
損出しを覚えると、払い込んだ税金を一部取り戻せるようになります。
損出しを有効活用して、投資効率をあげていきましょう!
Twitterもやっているので、ぜひフォローお願い致します。
コメント