こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、JSRの株価が下落している理由を分析しています。
最近、JSRの株価が大きく下げています。
年初来で、株価が4割近く下落しております。
年初来最安値を更新しているので、投資を検討している方も多いと思います。
一方で下がっているからと言って、安易に投資をするのは危ないです。
そこで本記事では、JSRの株価がなぜ下がっているのか詳しく分析していきます。
JSRへの投資を考えている方へ役立つ情報を提供します。
【主要顧客が急ブレーキ】JSRの株価が下落している理由を解説
JSRの株価が下がっている要因をまとめました。
・デジタルソリューション事業の低迷
・ライフサイエンス事業の計画見直し
・合成樹脂事業の1Q赤字
JSRは主力事業がいずれも厳しい状況となっています。
詳しく解説します。
JSRの事業概要をざっくり解説
JSRの概要をまとめました。
・半導体材料事業、薬の創薬支援や開発受託製造業務、樹脂事業を行う会社
・売上高:4,200億円、営業利益:560億円(2022年度予想)
JSRは半導体など各種材料や、製薬事業を行っております。
JSRは元々、石油化学事業を行っていた会社ですが、エストラマー事業をエネオスに売却するなど、デジタルソリューション事業と、ライフサイエンス事業に注力しています。
デジタルソリューション事業の低迷
デジタルソリューション事業は、主に以下の製品を製造・販売しています。
・半導体材料(フォトレジスト、リソグラフィー、多層材料)
・ディスプレイ材料(各種LCD材料)
上記材料の主要顧客は、半導体メーカーやPC、スマホメーカーです。
上記メーカーは、コロナ以降巣ごもり特需により好調を維持してきました。
しかし、2022年になって業績が急速に悪化しています。
大手半導体メーカー各社は、減産を発表するなど市況が急速に悪化しています。
キオクシア(旧東芝メモリ)は30日、四日市工場(三重県四日市市)と北上工場(岩手県北上市)において、10月から当面の間、フラッシュメモリの生産調整を行うと発表した。
中間材料であるウエハーの投入量を約3割削減する。
【出典】ロイター_キオクシア、10月からフラッシュメモリ減産 ウエハー投入3割減
米インテルはパソコン(PC)市場の失速に対応してコストを削減するため、大規模な人員削減を計画している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、数千人規模となる公算が大きい。
【出典】東洋経済オンライン_インテルが数千人を削減か、PC市場鈍化に対応
また米Appleも、iPhoneの売れ行きが伸び悩んでいます。
米アップルは、期待していたほど需要が伸びないことを理由に、スマートフォン最新機種「iPhone14」の増産計画を断念する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
【出典】Bloomberg_米アップル、新型iPhoneの増産計画を断念-販売出だし振るわず
このようにJSRの主力の顧客が、現在急ブレーキとなっています。
こうした状況から、今後JSRの売上・利益も減少していくことが予想されております。
ライフサイエンス事業の計画見直し
もう一つのJSRの柱である「ライフサイエンス事業」も厳しい状況となっています。
このように22年1Qは利益が赤字スレスレとなっています。
バイオ医薬品の開発・製造. 受託事業への投資を行った事で、固定費が増加。
利益が大きく目減りしております。
また通期でも、バイオ医薬の稼働計画を引き下げる見直しをしております。
このように主力の苦戦が、株価下落の一つの要因となっています。
合成樹脂事業の1Q赤字
JSRは子会社のテクノUMGにて、ABS樹脂を製造・販売しております。
ABS樹脂は、国内シェアが圧倒的1位となっており、業界を牽引しております。
ABS事業は、車向けの比率が高いのが特徴です。
そのため、車の事業動向に大きく左右される構造となっています。
国内の車メーカーは、2021年以降半導体等の部材調達に苦戦しております。
その影響で、作りたくても車を作れない状況が続いております。
その結果、車の製造販売台数が伸び悩んでおります。
その影響で、車の比率が高いJSRの樹脂事業も非常に苦戦しております。
このように2022年度1Q決算では、赤字に転落しています。
車の生産台数は徐々に回復しておりますが、ABSの市況価格も少しずつ下落しており、2Q以降も厳しい状況が続く事が想定されています。
まとめ:JSRの株価が下落している理由
JSRの株価が下がっている理由まとめです。
・デジタルソリューション事業の低迷
・ライフサイエンス事業の計画見直し
・合成樹脂事業の1Q赤字
JSRは景気敏感銘柄です。
そのため、今後世界的に景気が悪化すると株価は更に下がる可能性があります。
特に直近は大手顧客が減産傾向にあり、厳しい状況となっているので、投資をする場合は注意しましょう。
この記事がJSRの企業分析の参考になれば幸いです。
尚本記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものでは無いのでご注意下さい。
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