この記事では、米国高配当ETFはどれがおすすめなのかを紹介しています。
アメリカの高配当ETFはどれがおすすめなの?
こんな疑問に答えます。
最近、米国の高配当ETFの人気が高まっています。
SNSでは、色々な銘柄が紹介されています。
でもその中で、どれにすれば良いか迷っていませんか?
そこで本記事では、米国高配当で有名なETFを徹底比較し、どれがおすすめなのかを紹介していきます。
間違えた投資をしたくない人は、ぜひ最後までご覧下さい!
【VYM・HDV・SPYD】米国高配当ETFのおすすめを徹底解説
米国高配当ETFを買う人は、以下の考えで銘柄を選びましょう。
・リスクを取って配当利回りを高めたい人はSPYDがおすすめ
・リスクをできるだけ抑えたい人はVYMがおすすめ
■米国高配当ETF3兄弟の特徴
VYM | HDV | SPYD | |
リスク | ○ | △ | ✕ |
キャピタルゲイン | ◎ | △ | ✕ |
配当利回り | △ | ○ | ◎ |
増配率 | ◎ | ○ | ✕ |
SPYDは、FIREを急いでいる方でリスクを取れる方向けです。
一方でVYMは、リスクをできるだけ抑えてゆっくりFIREを目指したい方向けです。
以降では、各ETFの概要を分かりやすく解説していきます。
そもそも何故米国の高配当ETFがおすすめなの?
そもそも何故「米国」の高配当ETFが良いとされているかご存知でしょうか?
まずは、米国高配当ETFが推奨される理由を説明致します。
アメリカ市場は、長期的に成長を続けているから
アメリカ全体の市場は、長期的に右肩上がりで成長しています。
戦争・オイルショック・ITバブル・リーマンショック・コロナショックなど、数々の試練を乗り越えて来ました。
イノベーションが起こり、市場が長期的に成長を続けています。
こうした市場の成長の恩恵を預かるためには、米国市場に投資をしなければなりません。
アメリカは株主還元の意識が高い
アメリカ企業は、株主還元の意識が高いです。
赤字を出したら、大規模なリストラや借金をして配当金を支払うなど、日本企業には無い気概が見られます。
働く側は大変かもしれませんが、株主としてみるととても頼もしいです。
このように株主還元の意識が高いので、アメリカ株がおすすめとされています。
リスク分散(日本円以外の資産を持つ)
日本にいると気がつかないですが、最近の日本の購買力は下落し続けています。
円安や低成長により、相対的に日本は貧しくなっています。
例えば、日本で人気のスマホであるiPhoneは、年々値段が上がっております。
高機能化や大型化により、端末の最高価格はこの10年で3倍に上がった。日本人の平均月収の約6割に迫る「高級品」
【出典】日本経済新聞_iPhone価格、10年で3倍の19万円 日本人平均月収の6割
これはアメリカの物価が年々上昇しているからです。
おそらくこれからも、日本とアメリカの物価差は広がっていきます。
そうした時に、日本の資産だけを持っていると相対的に貧しくなります。
賢い人は、日本の資産だけ持つ事のリスクを知っているからこそ、米ドル資産を持とうとしているのです。
手数料が安い
日本の高配当ETFの運用手数料は、年間0.3%程度かかります。
一方で、米国高配当ETFの手数料は激安です。
VYM:0.06%
HDV:0.08%
SPYD:0.07%
たった0.2%の違いが、大きな差になります。
例えば1,000万円を10年間運用した場合、0.2%の手数料の差が「20万円」にもなります。
信託手数料は、保有し続ける限り発生する費用です。
安い手数料で、手軽に分散投資できるのが米国ETFの魅力なんです。
【VYMの特徴】VYMをおすすめするケース
VYMは3つのETFの内、一番リスクが低いETFです。
リスクを抑えつつ、将来の配当を増やしたい方におすすめしたいETFです。
VYMの特徴は、以下のとおりです。
・リスクが相対的に低い
・株価が右肩上がり=キャピタルゲインが期待出来る
・増配率が高い
・配当利回りが低い
リスクが相対的に低い
VYMは、コロナショックの時に暴落率が低い事が分かっています。
上記グラフの通り、HDVと同じく3割の下落で済みました。
そして暴落後に株価が戻るのが、一番早かったETFでもありました。
こんな感じで、たった半年で株価は復活。
すぐに、コロナ前の株価を越えました。
これらをまとめると、VYMは3銘柄の中でも一番暴落に強い事が分かります。
株価が右肩上がり=キャピタルゲインが期待出来る
VYMは、長期的に右肩上がりの指数です。
このように、リーマンショック・コロナショックを乗り越えています。
株価が右肩上がりという事は、キャピタルゲイン=株価上昇利益を手に入れられる事を意味します。
せっかくの高配当ETFでも、株価が下がると全体では損になります。
その点、VYMなら株価の伸びも期待できます。
増配率が高い
VYMは、増配率が高いETFである事が分かっています。
このように5年で、配当金が2倍以上に伸びています。
コロナショックの2020年も安定的に増配しています。
このようにVYMは増配率が高く、長期で保有するほど配当金が増えるという特徴があります。
配当利回りが低い
こんな完璧なVYMですが、唯一の弱点が「配当利回りが低い」という点にあります。
3兄弟で比べても、配当利回りの低さが際立ちます。
高配当株投資をしている人は、配当を得るために投資をしています。
でもVYMでは、高配当では無いという致命的な弱点があります。
上記特徴からVYMは、リスクを抑えつつ将来的な配当を期待したい人におすすめできます。
【SPYDの特徴】SPYDをおすすめするケース
SPYDは、3つのETFの中で一番リスクが高いです。
そのため、リスクを取って配当利回りを高めたい人におすすめです。
主な特徴は、以下のとおりです。
・配当利回りが一番高い
・リスクが高い
・株価が伸びない
・増配率が低い
配当利回りが一番高い
SPYDは、3兄弟の中でも一番配当利回りが高いです。
買った時から4%程度の配当利回りを期待できます。
そのため高配当株投資家の中でも、一番人気の高い銘柄です。
リスクが相対的に高い
一方でSPYDは、コロナショックの時一番株価が下落しました。
株価が半値近くまで下落しました。
安易にナンピンした人や、高値掴みをした人は大きな損失となりました。
またコロナショック時の株価の戻りも遅かったです。
VYMが半年で復活したのに対して、SPYDは1年ほどかかりました。
暴落しやすく株価も戻りにくいという点で、他の銘柄よりリスクが高いと言えます。
株価が伸びない
SPYDは、株価がほとんど伸びないという特徴があります。
こんな感じで横ばいor微増です。
2021年以降の株高相場を考えると、少しさびしい感じがします。
いくら配当重視とは言え、株価が全く伸びないのも問題です。
高値づかみをすると、相当期間含み損を抱え続けることになってしまいます。
増配率が低い
SPYDは、配当金の伸びが期待できないETFでもあります。
他のETFが増配しているのに対して、SPYDは全然増配していません。
高配当企業は、成熟企業である事が多いです。
そのため成長も少なく、増配が期待できないのです。
せっかく成長している市場に投資しているのに、敢えて成長しない銘柄に投資していることになります。
以上のことからSPYDは、リスクを取って直近の配当利回りを高めたい人におすすめです。
【HDVの特徴】HDVをおすすめするケース
HDVは、「SPYDよりリスクを抑えたい人」と「SPYDとの分散効果を得たい人」におすすめです。
HDVの特徴は、以下の2つです。
・配当、リスク、増配率はVYMとSPYDの中間
・財務の健全度や配当支払能力にも着目している指数
・SPYDと採用銘柄が異なる=分散効果あり
配当・リスク・増配率は、VYMとSPYDの中間
HDVは、リスク・配当利回り・株価の伸びが3兄弟の中間に位置します。
SPYDほどリスクは取れないけど、もう少し配当が欲しい・・・
こんな方に、HDVはおすすめできるETFと言えそうです。
ただ逆に、配当も株価も非常に中途半端なETFとも言えそうです。
何のためにHDVへ投資しているのか、理由付けが大切だと思います。
財務の健全度や配当支払能力にも着目している指数
HDVがベンチマークしている指標は、企業の財務状態・配当支払い能力を考慮しています。
そのため、SPYDに比べると減配リスクが低いという特徴があります。
過去の増配率を見ても、堅調に増配していることが分かります。
一方で複雑な指標で銘柄選定をしているので、頻繁に銘柄が入れ替わります。
どういった指標で選定しているのか、分かりにくいというデメリットになっています。
SPYDと選定銘柄が異なる
HDVのもう一つの特徴が、「SPYDと選定銘柄が異なる」点にあります。
同じ高配当という位置づけながら、銘柄があまり被っていません。
そのため、SPYDのリスクを低減する意味で、HDVにも投資する事に一定の価値があります。
実際2021年12月分配金は、SPYDは大減配でしたが、HDVは増配となりました。
僕自身、SPYDとHDVを両方保有しております。
上値が重いという点は似ていますが、配当金の動きが違う事を感じています。
そのため2つの銘柄を保有する事が、心理的な安心につながる気がしています。
最後にもう一度、米国ETF3兄弟の特徴を再掲します。
VYM | HDV | SPYD | |
リスク | ○ | △ | ✕ |
キャピタルゲイン | ◎ | △ | ✕ |
配当利回り | △ | ○ | ◎ |
増配率 | ◎ | ○ | ✕ |
米国高配当ETFのおすすめの選び方を解説【これが結論です】
今までの特徴を踏まえて、僕が考えるおすすめの使い分け方を紹介致します。
・FIREを急がない人は、VYMへの投資がおすすめ
・FIREを急ぐ人は、SPYD&HDVへの投資がおすすめ
・株価暴落時は、SPYDを買うのがおすすめ
・日本の高配当銘柄にも目を向けましょう
投資の目標・ゴールによって、どのETFにすれば良いか変わってきます。
ここでは「時間軸」という観点から、どのETFを選べば良いか解説します。
FIREを急がない人は、VYMへの投資がおすすめ
FIREを急いでいない人は、VYMへ投資をするのがおすすめです。
リスクを抑えながら、キャピタルを狙えます。
唯一の弱点である配当利回りも、5年経てば高配当化します。
時間を味方につけて気長に配当金を積み上げられる人は、VYMが最適解かなと思います。
また、多額の資金を投入できる人にもVYMをおすすめできます。
ぶっちゃけ投資は、入金額が全てです。
配当利回りが低くても、入金額が倍の人の方が配当金は多く貰えます。
そのため入金力で勝負出来る人は、敢えてSPYDでリスクを取る必要は無いです。
FIREを急ぐ人は、SPYD&HDVへの投資がおすすめ
一方で「FIREを急いでいる方」は、SPYDが候補になります。
買った瞬間に、高配当の恩恵を享受することができます。
入金額が少なくても、高い配当を得ることができるのがメリットです。
一方でSPYDは、リスクが高いです。
また、長期的な株価の伸びも期待できない点にも注意が必要です。
そしてSPYDのリスクを下げたい人は、HDVにも同時に投資するのがおすすめです。
リスクをある程度分散する事ができます。
株価暴落時は、SPYDを買うのがおすすめ
今までSPYDは、3兄弟の中でも一番リスクが高い銘柄と説明してきました。
実際、株価暴落時はSPYDが一番値下がりしました。
一方で底値で仕入れる事ができれば、大きなリターンを狙う事ができます。
このように平時4%の利回りが、5%~6%付近まで上がります。
更に暴落時なので、キャピタルゲイン=株価上昇益を狙う事も可能です。
SPYDでキャピタルゲインを取れれば、SPYDの暴落リスクを軽減できます。
そして、普段よりも高い利回りもゲットできます。
このように、SPYDの暴落は高いリターンを狙うチャンスでもあります。
もちろん、暴落時に買うのは非常にリスクが高い事でもあります。
コロナショック時は、安易に35ドル付近でナンピンした人が多数いました。
しかし、結局20ドル付近まで下がり続け多額の含み損を抱えました。
リスクを承知の上で、それでも高いリターンを狙う玄人向けの投資であることをご了承願います。
日本の高配当銘柄にも目を向けましょう
最近は、「米国株に投資していればOK」という論調を良く見かけます。
確かに日本市場は、未だにバブルを越えられおりません。
ですが米国株「だけ」やればOKという考えは、個人的には微妙かと思っています。
理由は以下のとおりです。
・日本株はアメリカ株より割安=利回りが高い事が多い
・日本株は、配当金を「円」で受け取れる(為替リスクが無い)
日本株はアメリカより割安
2020年、投資の神様ウォーレン・バフェットが「日本の総合商社株」を買っていたことがニュースになりました。
アメリカ市場が割高で手が出せないことから、相対的に割安な日本株を買いました。
その後総合商社は株価が大きく上昇し、バフェットは大きなリターンを得ました。
日本市場は、アメリカに比べると割安で放置されている銘柄が多数あります。
アメリカの優良銘柄で、利回り4%を探すのは大変です。
ですが日本市場なら、相対的に割安な銘柄を見つけやすいというメリットがあります。
(もちろん放置されており、株価上昇余地も少ないというデメリットもあります)
日本株は「日本円」で配当金を受け取れる
また米国株には、為替リスクが存在します。
為替は近年は、80円~120円付近で推移しています。
120円付近なら、円安の恩恵を受けられ「円貨の配当金」も増加します。
一方で80円になると、配当金は大きく目減りします。
もしあなたがFIREを目指している場合、円高は大きなリスクになります。
その点、日本株なら配当を日本円で受け取れます。
配当金の予測も立てやすいです。
これらの点から日本でFIREを目指す場合は、日本株にも目を向けるべきだと感じています。
まとめ:米国高配当ETFのおすすめを徹底解説しました
「おすすめの米国高配当ETF」のまとめです。
・リスクを取って配当利回りを高めたい人はSPYDがおすすめ
・リスクをできるだけ抑えたい人はVYMがおすすめ
■米国ETF3兄弟の特徴
VYM | HDV | SPYD | |
リスク | ○ | △ | ✕ |
キャピタルゲイン | ◎ | △ | ✕ |
配当利回り | △ | ○ | ◎ |
増配率 | ◎ | ○ | ✕ |
同じ米国高配当ETFを買う人でも、時間軸・時間・目指すゴールが異なります。
そのため、自分の目的に合わせて銘柄を選ぶ必要があります。
周りの意見に惑わされず、ご自身の目的に合わせて銘柄を選びましょう!
この記事が、米国高配当ETFの論争に終止符を打てれば幸いです。
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