こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、ゆうちょ銀行の株価がどこまで落ちるのか分析しています。
ゆうちょ銀行の株価が冴えません。
上場以来、株価は徐々に下がってきております。
でも配当利回りは5%近いので、投資を検討している方も多いと思います。
そこで本記事では、ゆうちょ銀行の株価が安い背景を詳しく分析していきます。
ゆうちょへの投資を考えている方に役立つ情報を提供します。
ゆうちょ銀行の株価はどこまで落ちるの?【株価が安い理由を解説】
ゆうちょ銀行の株価が安い理由をまとめました。
・日本郵政によるゆうちょ銀行株売却リスク
・郵政グループによる不祥事連発
・銀行株自体が割安で相対的に魅力が乏しい
ゆうちょ銀行は、他の銀行株とは違ったリスクが存在します。
ゆうちょ株へ投資する際は、こうしたリスクをきちんと理解した上で投資するようにしましょう。
ゆうちょ銀行の概要をざっくり解説
ゆうちょ銀行の概要をまとめました。
・郵政民営化で上場(親会社は日本郵政)
・経常収益1兆9,776億円、経常利益4,908億円(2021年度実績)
・全国津々浦々に支店を持ち、預貯金残高も日本一位
・近年は運用の積極化で収益率向上
ゆうちょ銀行は、全国に郵便局に拠点を持っています。
総店舗数は、圧倒的No1の地位です。
身近にあることを強みに、口座数・貯金残高も日本一位の地位を誇ります。
191兆円の預金残高は、すごいですよね。
また最近は預金を積極的に運用することで、利益を伸ばしている事も特徴的です。
そんな日本最大級の規模を誇るゆうちょ銀行ですが、株価は低迷しております。
どういう要因で株価が下がっているのでしょうか?
日本郵政によるゆうちょ銀行株売却リスク
ゆうちょ銀行は、日本郵政グループの傘下です。
事業構造は、以下の通り少し複雑です。
郵政グループは、元々国営企業でした。
それが郵政民営化で、上記の通り株式市場に上場しております。
現在ゆうちょ銀行の株式の内、88.99%は親会社である日本郵政が保有しています。
しかし、郵政民営化法にもとづき、日本郵政が保有しているゆうちょ銀行株については、保有割合を50%以下にする方針が立てられています。
日本郵政の中期経営計画でも、ゆうちょ銀行の株式保有比率を早期に50%以下にすることが明記されています。
加えてゆうちょ銀行側にも、日本郵政の株主比率を下げなければならない事情があります。
ゆうちょ銀行は、東京証券取引所の新市場区分への移行に際して、プライム市場を選択しております。
しかし、プライム市場の適合要件に達していない事がわかっております。
現在ゆうちょ銀行は、プライム市場への移行のための計画書を発行しております。
その中でも、早期に日本郵政の保有割合を50%以下にする事が記載されております。
こうしたことから、近い将来日本郵政はゆうちょ銀行の株式39%が売却される可能性が高いです。
そして株式売却に伴い、市場に流通する株数が増加し、既存の株式の価値が希釈化する見通しです。
当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え受給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
【出典】ゆうちょ銀行_2021年度有価証券報告書
市場で流通する株式数が増えると、株価は下落の方向に進む可能性があります。
こうした懸念から、株価は低迷しております。
日本郵政グループによる不祥事連発
日本郵政グループは、近年になって不祥事が多発しています。
このように18万件もの不適切契約が発覚しております。
現在は、不祥事撲滅を宣言し、業務の適正化を進めております。
しかし一度不祥事を起こした会社は、再び不祥事を起こす事が多いです。
不祥事が起こるたびに、社会的信用を失い、株価も下落していきます。
こうした企業風土の問題があるので、ゆうちょ銀行の株価は低迷しているのです。
銀行株自体が割安
またゆうちょ銀行に限らず、日本の銀行株は株価が安いと言われています。
三菱UFJ PER:7.98倍 配当利回り:4.44%
みずほ PER:7.47倍 配当利回り:5.03%
三井住友 PER:7.88倍 配当利回り:5.25%
ゆうちょ銀行 PER:11.88倍 配当利回り:4.93%
※2022年8月末時点
このように銀行株自体が、非常に割安に取引されております。
利回りも5%前後と非常に魅力的となっております。
でも、なぜ銀行銘柄全般が割安になっているのでしょうか?
・ゼロ金利政策の継続で稼げなくなっているから
・フィンテックの台頭で今後銀行がオワコン化する予想があるから
日本市場は、長らくゼロ金利政策が続けられています。
そしてゼロ金利政策は、今後も維持される見通しであることがわかっています。
銀行は金貸し業です。
預金者から借りたお金を他に貸して、その金利差で儲けるビジネスです。
しかしゼロ金利政策では、企業に貸すお金も低金利となるため、銀行は儲けにくい状態が続いております。
こうした状況から、株価は割安な状態で放置されているのです。
また将来的な不安もあります。
近年、金融とIT技術を組み合わせたフィンテックが台頭しています。
PayPayなどのキャッシュレス決済や、ブロックチェーン技術による送金など、新しい技術が生まれております。
こうしたフィンテックは、既存の銀行の業務領域を脅かすものです。
「将来的に銀行がオワコン化するのでは?」という懸念から、長期的に株価が下がり続けているのです。
一体ゆうちょ銀行の株価はどこまで落ちるの?
現在、ゆうちょ銀行は2つの課題を抱えています。
・株式市場の暴落リスク
・日本郵政の株売却リスク
2022年になって株式市場に暗雲が立ち込めています。
欧米中心に、政策金利が急速に引き上げられており、株価が下落方向にあります。
2022年8月、米FRB議長は改めて「金利を上げる」という発言をしております。
金利を上げるということは、実体経済にマイナスの要因となり、株価も下がる事が多いです。
現在ゆうちょ銀行は、エクイティファンドへの投資などリスクを取った運用を増やしております。
今後株価が暴落した際は、こうした投資損が発生する可能性があります。
また、さきほど日本郵政による株売却リスクも説明しました。
株売却のニュースが流れると、ほぼ確実に株価は下落するものと思われます。
(実際政府が日本郵政の株を売却することを発表した際も、大きく株価は下がりました)
こうした2つの下落要因があることから、ゆうちょ銀行の株価も下がる可能性があります。
コロナショック時は一時800円台まで下がったことから、今後800円台への下落リスクは覚悟しておいたほうが良さそうです。
まとめ:ゆうちょ銀行の株価はどこまで落ちるの?
ゆうちょ銀行の株価が安い理由まとめです。
・日本郵政によるゆうちょ銀行株売却リスク
・郵政グループによる不祥事連発
・銀行株自体が割安で相対的に魅力が乏しい
日本郵政には、他の銀行株とは違った経営リスクがあります。
特に日本郵政による株式売却は、株価が下がる要因になるため注意しましょう。
尚本記事は著者の意見をまとめたものです。
投資を推奨するものではありませんので、ご注意下さい。
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