本記事では、明治ホールディングスの株価がなぜ下落しているのか、要因を解説しています
ここ数年、明治ホールディングスの株価が下落傾向にあります。
ピーク時10,000円台だった株価は、今はなんと「6,000円台」まで落ちています。
たった数年で4割も株価が下落しています。暴落ですね。
やばいね・・・どうしてこんな事になったの?
そこで本記事では、明治ホールディングスの株価がなぜ下落しているのか?今後の見通しはどうなるのか?について解説します。
明治ホールディングスの株価はなぜ下落しているの?暴落の理由を解説
明治ホールディングスの株価が大きく下落している理由は、以下のとおりです。
2018年→2021年予想で、2,300億円も売上がダウンするから
実は明治は、売上が大幅にダウンしています。
売上が2,300億円も落ちるって、やばいですよね。
売上ダウンに連動して、株価も大きく下落しているのです。
でも明治の売上は、なぜここまで減るのでしょうか?
売上減の要因は、主に4つあります。
・コロナ禍でコンビニのお菓子が売れていない
・グミ・ガムは、在宅勤務で「通勤・オフィス需要」が減少
・子会社の売却により売上がダウン
・医薬品事業は、薬価改定とコロナによる通院控えでダウン
食品はディフェンシブ銘柄だと思いきや、実はコロナの影響をモロに受けていました。
コロナ影響で苦戦しており、その影響が株価にあらわれています。
以降では、明治ホールディングスの状況を分析していきます。
明治ホールディングスの事業解説
明治の事業ポートフォリオは、以下のとおりです。
明治は、20年度実績で「1兆1,917億円」の売上規模です。
売上の84%が食品です。チョコやヨーグルトはお馴染みですよね。
そして、意外だったかもしれませんが、売上の16%は医薬品事業をしています。
全体像を掴んだところで、売上が下落している要因を分析していきます。
【下落要因1】コロナ禍でコンビニのお菓子が売れていない
明治ホールディングスといえば、チョコレートなどのお菓子が有名です。
チョコレートなどのお菓子を、コンビニで買う人も多いのでは無いでしょうか?
外出した時のちょっとしたお買い物で利用するイメージがあるよね
ですがコロナ禍で、コンビニを利用する人が減っています。
その結果、コンビニでの売上が下がり、お菓子事業全体が前年度比でマイナスとなっています。
コンビニエンスストア向け商品が減収となり、チョコレート全体では減収となりました。
【出典】明治ホールディングス2020年度決算短信
このようにお菓子の売上が1年で6.3%も減少しています。
コンビニで再びお菓子が売れるようになることが、明治の復活の鍵となります。
【下落要因2】グミ・ガムは、在宅勤務で通勤・オフィス需要が減少
明治は、キシリッシュガムや果汁グミなどの「ガム・グミ」商品を製造・販売しています。
でも、これらの商品がコロナ禍の影響で売上が大きくダウンしています。
ガムやグミは、移動中や職場で食べる事が多いです。
眠気覚まし目的で、常用している人もいるのではないでしょうか?
外出自粛が続いているので、ガム・グミの需要が大きく減少しており、苦戦を強いられています。
グミやガムは通勤時・通学時やオフィスでの需要減少により大幅な減収となりました。
【出典】明治ホールディングス2020年度決算短信
ガムは確かに仕事中や移動中にかむイメージがあるよね
【下落要因3】子会社の売却により売上がダウン
明治ホールディングスは、近年「本業」と関係が薄い事業を切り離しています。
明治は*(2021年3月)10日、チルド食品などの食品配送センターを手掛ける子会社を同業の食品物流会社に売却すると発表した。4月20日に子会社の全株式を譲渡する。
【出典】日本経済新聞 明治、食品配送子会社の株式を譲渡 4月に ※は著者追記
その結果、単年で売上362億円も減少しています。
畜産品などの子会社3社が株式譲渡により連結対象子会社から除外されたことに加え、物流子会社や砂糖商社などの減収により前期を下回りました。
【出典】明治ホールディングス2020年度決算短信
ホントはその分、中核事業に注力すべきですが、実際はコロナ禍で単純に売上だけが落ちる展開になっています。
【要因4】医薬品事業は、薬価改定とコロナによる通院控えでダウン
明治ホールディングスは、売上の2割弱を「医薬品事業」が占めています。
医薬品事業は、明治の新しいポートフォリオとして、成長が期待されていました。
しかし、医薬品事業にも2つの逆風が吹いています。
・薬価改定で、販売価格が下落傾向
・コロナによる通院控えで、売上がダウン
薬価改定とは、市場実勢価格に合わせて医薬品の売価を見直すことです。
基本的には、市場価格に合わせて下落する方向で動きます。
そのため薬価改定があると、売上&利益が下落する構造です。
実際、明治も薬価改定で売上・利益が下落しています。
2020年度は、薬価改定の影響で利益が58億円も吹き飛んでいます。
今後も薬価改定で売上・利益が落ちる構造は変わらないので、厳しい状況が続きそうです。
少子高齢化で、医療費の削減は急務だから仕方ないのかもね・・・
更にコロナ禍で、通院する人も激減しています。
その結果、明治ホールディングスの医薬品事業は、厳しい結果となりました。
でも営業利益は維持している
確かに売上は下がっているけど、利益は維持しているよね?
明治ホールディングスは、売上はダウンしていますが利益は落ちていないです。
上記の通り、営業利益率が徐々に上がっています。
EPS(1株利益)も現状を維持できています。
利益を維持できている理由は、以下の2つです。
・販促費の減少
・減価償却の減少
販促費とは、CMなどの広告費用のことです。
景気が悪くなると、まずはこの費用が削られます。
また減価償却が進んでいることも、利益率向上に寄与しています。
利益維持できているなら良いんじゃない?
株価は「将来の見込み」も加味して設定されます。
今後も売上が伸びるという期待が、株価上昇に繋がります。
「売上が伸びない=成長しない」事に等しいので、株価的にはマイナスです。
明治ホールディングスの株は今後下落し続けるの?【見通し解説】
今後の明治ホールディングスの見通しは?
今後の明治ホールディングスの見込みは、以下の通りです。
・今後も売上の伸びは見込めないので、大きな株価の伸びは期待できない
コロナ禍が終わった後、どれくらい売上が伸びるかがポイントです。
ですが、明治の中期計画を見る限り今後も大きな伸びは期待できなそうです。
2023年度中期経営計画
2021年5月に発表した中期計画の内容は、以下の通りです。
2023年度の売上が20年度より下になってるよ・・・
そうなんです。
20年度の売上1兆1,917億円に対して、23年度の計画が「1兆800億円」になっています。
普通、中期計画は「目標」を織り込むので、高い数値になる傾向があります。
それでも低い計画を立てざるを得ないのは、今後の見通しが相当厳しいという事です。
明治ホールディングスの株は買い?
明治ホールディングスは、ピーク時の10,000円から大きく下落しています。
そのため、「リバウンド狙い」と思う人も多いと思います。
ですが、先程までに説明した通り、今後も厳しい状況が続くと思われます。
そのため、10,000円へのリバウンドを期待して買うべきでは無いと思います。
一方で、大きな伸びを期待しない前提なら「今の価格はそこそこ適正」かなと思います。
今までの10,000円台は、割高な印象でした。
その点、今ならフェアバリューで買えるのでは?と思っています。
僕も単元が高いので慎重ですが、買い場を虎視眈々と狙っています!
(投資をする際は、くれぐれも自己責任でお願いいたします)
まとめ:明治ホールディングスの株価はなぜ下落しているの?
明治の株価が下落している理由を、最後にもう一度まとめます。
・コロナ禍でコンビニのお菓子が売れていない
・グミ・ガムは、在宅勤務で通勤・オフィス需要が減少
・子会社の売却により売上がダウン
・医薬品事業は、薬価改定とコロナによる通院控えでダウン
ディフェンシブ銘柄ですが、コロナ影響でダメージが大きいです。
逆風が吹く中ですが、良い企業なのでぜひとも頑張って欲しいと思います!
このブログでは、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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