こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、マキタの株価が下落している理由をまとめています。
ここ最近、マキタの株価がジェットコースターのように下がり続けています。
1年前と比べると、株価が半値以下にまで下がっています。
指標的には割安に見えるので、投資を考えている方も多いと思います。
そこで本記事では、マキタの株価が大きく下がっている要因を詳しく分析していきます。
マキタへの投資を考えている方に役立つ情報を提供します。
電動工具✕脱炭素|マキタの株価が下落している理由を解説
マキタの株価が下がっている理由をまとめました。
・巣ごもり特需が剥落し北米赤字転落
・材料費高騰で原価悪化
・景気後退予測で、積極的な事業拡大が裏目に出る可能性あり
・利益減に伴い減配見込み
これまでイケイケでしたが、2022年になって業績に陰りが見え始めています。
今後の業績の下方修正も意識されており、株価は下落傾向にあります。
詳しく解説していきます。
マキタの概要をざっくり解説
マキタの会社概要をまとめました。
・2021年度の売上7,392億円。営業利益917億円
・電動工具、園芸工具、掃除機などを製造・販売
・海外比率84%と、海外比率が非常に高い
マキタは、電動工具や園芸工具を製造する工具メーカーです。
マキタの一番の特徴は、海外比率が非常に高いところにあります。
2021年度の実績では、海外の売上比率が84%となっております。
海外の中でも、欧州・北米の比率が高いのが特徴です。
マキタのここがすごい!
決算を見ていましたが、マキタはかなり良い会社でした。
僕が感じた「マキタのここがすごい!」ところを3つ挙げました。
・売上が右肩上がりに増加&高利益体質
・財務状況良好
・充電式工具で、脱炭素の波に乗っている
マキタは近年売上を右肩上がりに増やしています。
5,000億円の売上が、たった数年で7,000億まで増加しています。
また営業利益率も10%超と、利益率が高いのも特徴です。
またマキタは、財務状況も良好です。
自己資本比率が74%と、鉄壁の財務状況です。
マキタの力の源泉は、充電式の電動工具です。
従来は、コードやガソリンで駆動していた工具ですが、最近はリチウムイオンバッテリー(LIB)を使った工具が主流になっています。
特に最近は、脱炭素の流れでLIBの電動工具の需要が高まっています。
これまでのようにガソリンが不要になるので、二酸化炭素排出量も抑える事が可能です。
こうした脱炭素の流れに乗っていることが、マキタの強さの秘訣なのです。
そんなマキタですが、最近は株価が下がっております。
どのような理由で下がっているのでしょうか?
巣ごもり特需が剥落し北米赤字転落
実はマキタの電動工具は、コロナの巣ごもり影響を大きく受けました。
具体的には外出自粛でDIYや園芸をする人が増えたことで、マキタの売上が大きく伸びております。
上記の通り、2020年度以降大きく売上が増えております。
巣ごもり需要はマキタにとってプラス要因となりました。
しかし2022年になって、世界各国が日常を取り戻しつつあります。
巣ごもり需要も一段落しています。
その影響で、2022年1Qの決算では北米事業が前年比でマイナスになっています。
北米では、巣ごもり需要の落ち着きによりホームセンター向けの販売が減少し、前年同期比2.7%減の27,850百万円となりました。
【出典】マキタ_2022年1Q決算短信
材料費高騰で原価悪化
2021年以降、世界的にインフレが加速しています。
製造業に使われる原材料の価格も高騰し続けております。
マキタの主要な部材は、LIB(リチウムイオンバッテリー)です。
ですが2021年以降、LIBの原料が高騰しております。
またマキタの中核部品であるモーターも、銅線・電磁鋼板・磁石などの価格高騰の影響を受けております。
こうした直材費の高騰が、マキタの原価を悪化させております。
実際2022年度1Q決算では、原価が4.9%も悪化しております。
実際、2022年度の通期計画では「増収・減益」の予想となっております。
原材料の高騰に伴う利益減を嫌気し、マキタの株価は下落しているのです。
景気後退予測で、積極的な事業拡大が裏目に出る可能性あり
世界的に、充電式の電動工具の需要が大きく伸びています。
この需要増を取り込むべく、マキタは積極的な投資を進めています。
中国における新工場の建設、タイにおける工場棟の増設、埼玉県における物流センターの建設など、生産能力の増強や物流拠点の新設・拡張に取り組んだ結果、設備投資額は前期比20.2%増の59,937百万円となりました。
【出典】マキタレポート2022年3月期_設備投資額推移
人員増強・設備増強を行うことで、生産能力を年々拡大させています。
一方で、足元のマクロ環境は悪化しつつあります。
アメリカはインフレ抑制のために、急ピッチで金利が上昇しております。
その影響で不動産市場など、多くの産業の景況感が悪化。
GDPもマイナス成長となっております。
もう一つの大国、中国ではゼロコロナ政策による経済活動の停滞や、不動産バブルの崩壊によって深刻な不況に陥りつつあります。
このように世界的に景気後退の足音が聞こえております。
もし景気後退になった場合、マキタの積極投資は経営の重荷になる可能性が高いです。
景気悪化による売上ダウンと減価償却負担のダブルパンチが来る可能性があるので、株価は下がっているのです。
利益減に伴い減配見込み
マキタは業績連動の配当となっております。
現在は、配当性向30%の配当金となっております。
2022年度の通期の予想は、原価高騰の影響でEPSは前年比で減少する見込みです。
それに伴い、配当金も昨年度比で下がる見通しとなっています。
また直近の2022年度1Qの決算は、予想より悪かったです。
そのため通期の利益目標の達成も危ぶまれており、もし通期見通しを下方修正することになると、更に減配となるので注意が必要です。
まとめ:マキタの株価が下落している理由
マキタの株価が下落している理由まとめです。
・巣ごもり特需が剥落し北米赤字転落
・材料費高騰で原価悪化
・景気後退予測で、積極的な事業拡大が裏目に出る可能性あり
・利益減に伴い減配見込み
マキタは、脱炭素の流れに乗って今後も長期的に売上を伸ばしていく事が期待されます。
一方で直近は原材料高騰の影響で、利益率が落ちており苦戦しており、株価も下落傾向にあります。
今後景気が悪化すると、更に株価が下がる可能性もあるので要注意です。
この記事がマキタの経営分析の参考になれば幸いです。
なお本記事は著者の意見であり、投資を推奨するものでありませんので、ご注意下さい。
またTwitterもやっていますので、そちらも是非フォローお願い致します。
コメント