この記事では、ANA株の買い時と、ANAへの投資が危ない理由を解説しています。
ANAの株がほしいけど、今って買い時なのかなぁ?
こんな疑問に答えます。
ANAホールディングスは、コロナの感染拡大影響で株価が低迷しています。
株価が低迷しているね、これは買い場かも♪
そう思っている方も多いと思います。
ですが実はANA株は、リスクが非常に高いって知っていましたか?
この記事では、ANAへの安易な投資が危ない理由と、今後の見通しについて解説していきます。
ANAの買い場が知りたい方に役立つ情報をお届けいたします。
ANAの株の買い時はいつ?【ANAを買うのは危ないってホント?】
ANAの株価についての僕の見解は、以下のとおりです。
・今のANAの株価は割高です。安易に手を出すと怪我するかも。
・「航空機産業の未来を信じられる」or「優待がほしい」方のみ買う価値ありです。
ANAは、今ボロボロです。
ですが、株価は思ったより崩れておりません。
そのため、暴落目当てで買っている方は、あんまり旨味がありません。
むしろ相場全体が下落した時に、含み損を抱えるリスクが高いです。
以降では、ANAの株価が割高な根拠を解説していきます。
コロナ影響が長期化している
2021年にかけて、先進国を中心にワクチンが普及しました。
接種率が高い地域では、コロナの感染者数も減少している所もあります。
一方で、新興国ではまだコロナの感染が収まっておりません。
こんな感じでロシアでは、1日数万人も感染しており、収まる気配が見られません。
加えて、変異株の存在も驚異になっております。
ワクチン先進国のイギリスでも、変異株の影響によって再び感染者数が増大しております。
また、ワクチンの効果が長続きしないという話も出てきております。
このように、コロナが終わるまでまだまだ掛かりそうです。
航空機事業は、コロナが戻らない限り正常化しません。
元々はワクチンを打てば大丈夫!と思われていましたが、想定より長くかかりそうです。
つまり、あと1,2年はこんな感じで「赤字が続く可能性が高い」です。
株価がすぐに戻るはず!と思っていると、長期間株価が低迷することになるかもしれません。
航空需要は元には戻らない
もしコロナが終わったら、ANAは元の売上に戻るのでしょうか?
個人的見解ですが、コロナ前の状況には戻ることは無いと思います。
コロナの感染拡大に伴い、web会議などの技術が急速に発展しました。
Zoom,Teamsなどで大半の打ち合わせができるようになりました。
ビジネス用途なら、ほとんど出張は不要となりました。
多くの企業が経費削減で、出張旅費削減を打ち出しております。
「ビジネス海外出張」の需要は、完全には戻らないと予想されます。
そのため、すぐに18年度レベルの利益に戻ると考えるのは早計です。
有利子負債増大&増資影響が甚大
ANAは、コロナウイルスの感染拡大により経営状況が悪化しています。
その影響で、急激に有利子負債(借金)が増大しています。
たった1年で、借金が倍増です。
21年3月末時点で、1.6兆円もの借金を抱えています。
恐らく当面の間は、配当を払う余裕は無いはずです。
また、ANAは財務体質改善のために「増資」をしています。
ANAホールディングスは7日、2020年12月から21年1月にかけて実施する公募増資などによる資金調達額が最大3052億円になると発表した。
【出典】日本経済新聞_ANAの増資調達、最大3052億円に 発行価格を決定
具体的には株数が増え、1株の価値が40%ほど下がっております。
(348百万株→484百万株)
株主利益=1株利益です。
仮に利益が18年度レベルに戻っても、1株利益は下がります。
1株利益が下がるという事は、株主にとって大きなマイナスとなります。
ANAの株は今こそ買い時と言える3つの理由【危ないけど買いたい】
じゃあANAは止めておいた方が良いかなぁ・・・
確かにANAは、リスクが高い銘柄となっております。
ですが、以下の場合なら投資を検討する余地があります。
・5年以上の長期スパンで保有できるなら買う価値ありです。
・「旅行好きで優待がほしい」方は買う価値ありです。
今のANAは、5年以上の長い目で見る必要があると思っています。
以降では、長期目線でなら買う価値がある理由を解説していきます。
国際貨物事業が好調
コロナ禍で苦しいANAですが、実は国際貨物事業は好調です。
このように2021年時点で、コロナ前の2019年を上回っています。
実は近年海上物流が激混みです。
コンテナ不足・アメリカでの入港停滞・旺盛な需要が原因で、かつてないほど海上輸送が混雑しております。
新型コロナウイルス禍がもたらした海上輸送の逼迫(ひっぱく)は、いまだ収束の気配を見せない。当初の懸案だった貨物船のコンテナ不足などは改善されたものの、コロナ禍前の水準を上回る世界的な需要の急回復が荷動きの停滞解消を阻んでいる。
【出典】Sankei Biz_需要回復で海運混乱、生活必需品の値上げさらに?(2021年10月記事)
その結果、従来は海上輸送をしていた貨物が航空便へと切り替わってきております。
ANAは、需要増に答えるべく枠を拡大するなど、対応を急ピッチで進めております。
今後も海外輸送の需要は、伸びていく見込みです。
そのため、国際貨物事業については今後も好調に推移するものと予想しており、旅客の減少の一定分を補ってくれる見込みです。
固定費を劇的に削減
ANAは苦しい経営状況のため、固定費の削減を必死で進めております。
特に人件費の削減を進めることで、損益分岐点を下げております。
2021年4~6月期の人件費などの固定費は19年同期比で約3割削減。四半期ベースで営業黒字を確保できる損益分岐点売上高を約4割減の1700億円ほど引き下げたもようだ。
【出典】日本経済新聞_ANAHD、損益分岐点4割下げ
今後売上が戻れば、固定費の削減が効いて利益増につながりやすいです。
今後需要が回復した時も安易に固定費を上げずに、生産性を上げる取り組みをしてほしいと思っています。
優待の廃止リスクは比較的低い
ANAの一番の魅力は、株主優待です。
旅行好きで飛行機に頻繁に乗る方は、ANAの優待のために投資する価値があります。
他にも「ANAグループ各社・提携ホテル優待」が貰えるので、ANAの設備を利用している場合もメリットがあります。
飛行機の優待は、正規料金の半額になります。
早割とかもあるので、個人的にはあんまりいらないかなぁと思っています笑。
「思いついた時に飛行機に乗る方向け」かなと思います。
また飛行機の優待は、自社商品です。
そのため支出も少ないので、経営が苦しくても維持しやすいです。
優待を貰いつつ、株価上昇をゆっくり待つ戦術がオススメです。
まとめ:ANA株の買い時は今?安易に買うのは危ないです
本記事のまとめです。
・ANAの株価はすぐには戻らない!安易な投資は危険です
・投資するなら、優待を貰いながら長期保有する戦術がオススメ!
ANAは、コロナ影響をモロに受けて苦境に立たされています。
そのため底値だと思って安易に投資するのは、危険です。
投資する場合は、リスクを理解した上で投資するように致しましょう。
尚本記事は、投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いいたします。
コメント